第2話
やってきました、ロボセンター。
ロボセンター。名の通り、テノヒラロボ関連のお店だ。
もうちょっと詳しく話せって? いや、そういう設定のお店としか今のアタシには話せない。
で、どうして此処に来たのかというと。
「お姉ちゃん! ボーとしてないで早く登録しに行かないきゃ!!」
「解ってるって、受付行こうね」
「うん!」
テノヒラロボはバトルものである。
突然、何を言ってるんだって話だが、テノヒラロボはロボ同士が戦うバトルものだ。
バトルをする為にロボセンターで登録しなければならない、近くにロボセンターがない場合はロボセンターが登録許可を認めた玩具屋または電気屋で登録できるようになっている。
説明はここまでにして、妹のヒバナはロボセンターの受付嬢こと
寧々子さんはアーケードでは案内役、アニメでは説明役レギュラーとして出ていたテノヒラロボのキャラだ。
名前の通り猫イメージの髪型に語尾や言葉の中に必ず「にゃ」を付ける猫系お姉さん、それが寧々子さん。
「すみませ~ん!! 登録しにきました!!」
「にゃは? これは可愛いお客さんだにゃ♪ どんなロボと登録するのかにゃ?」
「えっと、すみません、登録者はこの子じゃなくてアタシです」
「もしかして姉妹ですかにゃ?」
「はい、この子はアタシの妹のヒバナです」
「よろしくね、お姉さん!!」
「これはこれは可愛い姉妹ですにゃ♪ アタイ、このロボセンターの受付嬢の寧々子と言いますにゃ。よろしくにゃ♪」
大変存じ上げております。そしてお世辞が大変お上手なようで。
妹はともかくアタシは自分を可愛いと思った事がない、主人公・溫井ホノオの事は可愛いと思っているが自分自身の事となるとそれは全然違ってくる。
それはおいといて、今はロボの登録だ。
正直言って乗り気しないけど母さんからの贈り物だしヒバナは乗り気だし……、仕方ないよね。
「それじゃあ、お姉さん、おにゃまえは?」
「溫井ホノオです」
「あついほのおちゃんですにゃね。それじゃあ、登録ルームにご案内しますにゃ♪ ヒバナちゃんはお姉さんの登録が終わるまでアタイと一緒に居ようにゃ♪」
「はい!」
元気よく返事するヒバナと別れ、アタシは一人登録ルームへ。
登録ルームは真っ平らな丸いテーブルと丸い椅子、テーブルには此処にロボを置いて下さいと言わんばかりの赤い円が描かれていた。
椅子に座ると設置されていたスピーカーからアナウンスが流れる。
『ようこそ登録ルームへ。まず登録するロボをテーブル中央の赤い円の中心に置いて下さい』
ロボホルダー、ロボを入れる入れ物からネコノコバンを出し指定された場所に置くと赤い円が光り出し、アタシが座っている正面のテーブルから小窓が出現しスマホのような機械が現れる。
見目は確かにスマホだけど、これはテノヒラロボ専用通信機・ロボファンだ。
このロボファンでロボを操作しステータスなどをチェックする、またこれを介してロボと会話をするのだ。
ロボと会話? と思った貴方、テノヒラロボは超最先端の人工知能を有した超最先端のハイテクホビーでロボフォンを通じて会話していく内にロボは言葉を覚え話すようになる、アーケードではバトルで勝っていくと親好度が上がると喋れるようになる仕組みだった。
『貴方の目の前にあるのはロボフォン、これに貴方の情報を入力して下さい』
アタシはロボフォンに個人情報を入力する、当然だがこれだけで終わらない。
『入力が終わりましたらロボが目が開けます、そうしたらロボと目を合わせて下さい、そうすればロボは貴方をマスターと認知します』
アナウンスの通り入力完了のボタンを押すと同時にネコノコバンのどこかぬいぐるみのような円らな目が開くとキョロキョロと不思議そうに辺りを見渡す。
アタシはネコノコバンが戸惑っている姿を可愛いと思ってふふっと笑う。
「ネコノコバン、初めましてアタシが貴方のマスターよ」
そう話しかけるとネコノコバンがアタシを見る。
お互いに見つめ合うとネコノコバンの方から「認知完了」と聞こえた。
『ロボの認知が終わりました。これで貴方はテノヒラロボのマスターです。先ほど入力したロボファンは貴方の物です、お帰りの際、お持ち帰りを忘れないよう気をつけて下さい』
これにて登録終了。
案外、あっさり終わって良かった。
さて、これで家に・・・・・・。
「きゃあ~!! なにするの!?」
外から妹の悲鳴が聞こえたんですが!?
何があったの!?
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます