ホビアニ主人公♂に転生したけど性別は転生前♀と同じです‼️
うにどん
プロローグ 転生しました、しかも主人公です
第1話
近未来、小型ロボが主流となった世界で流行中という設定で展開されたロボット系ホビー『テノヒラロボ』。
アーケードゲームから始まったそれは一気にという訳では無く徐々に男子児童を中心に人気を集め、アニメ化に伴い人気は更に加速し主人公やライバル達の使用ロボは立体化されアーケード機は一部の地域から全国に展開されるようになった、アニメは三期まで放送、そしてアニメ終了と共に人気は低下、いつの間にか懐かしのホビーとなっていた。
さて、どうしてアタシが一昔流行ったものを話したかというと。
「おめでとうござます。元気な女の子です」
ショタ好きでそれに乗じてホビアニオタクだったアタシは交通事故に遭い、目を開けたら赤ん坊になっていた。
まさかの転生!? と驚く暇もなくスクスクと成長したアタシは小学校に上がる前にこの世界がテノヒラロボの世界だと気付いたと同時に自分がその主人公の
――溫井ホノオ。使用ロボは炎龍モチーフの「ホムラドラゴン」、いつも半袖短パンの赤い髪の典型的な熱血系主人公の少年だ、膝小僧が眩しい少年だ。
溫井ホノオは少年なのだ。
今のアタシの性別はれっきとした女だ、男じゃない。
それなのにアタシの容姿は主人公そっくりで名前は溫井ホノオだ、最初は只のそっくりさんだと同姓同名だと考えたけど、頭の中の神様が「いや、お前、主人公だからね」と言ってくるからアタシは主人公に転生したのだと受け入れるしかなかった。
アタシは陰キャだ、熱血系なんて柄じゃない、だから・・・・・・。
主人公ルート絶対回避!!
と誓ったんですが・・・・・・。
中学進学前にアタシは両親の仕事の都合で引っ越す事になった、そして、引っ越し作業を終えたアタシの目の前にテノヒラロボががが。
「お、お母さん、これは・・・・・・?」
「ほら、新しい環境になるし、それにアナタは人見知りするから友達出来るようにと思って買ってきたの? 他のが良かった?」
いや、お母様、そういう意味ではないんです。
ずっと避けていた物がどうして此処に? という意味です。
しかも、アタシが転生前のテノヒラロボのアーケードで一番使っていたロボ、招き猫モチーフの「ネコノコバン」だ。
見た目も可愛いし、ネコノコバンが持つ固有スキルが発動条件はあるけど強力だからよく使っていた、アニメではちょい役だった上に立体化しなかったしネコノコバンよりも強力で使いやすいスキル持ちのロボが居たから人気は余りなかったけど。
「う、ううん、可愛いロボだね。ありがとう、お母さん」
「そう、それなら良かった」
友達が出来ずに孤立することを心配した母の思いを流石に無駄にする事が出来ず御礼を言う。
どうしよう、マジでどうしよう。
い、いや、よ~く考えてみよう。アタシの目の前にあるロボはネコノコバンだ、ホムラドラゴンではない!!
主人公ルート回避可能の筈だ!!
そんな事を考えていたら四つ年の離れた妹のヒバナがネコノコバンを見てロボセンターに行かなきゃとねだられたから行く羽目に。
事件とか変な人に巻き込まれませんように!!
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