第5話 レゼロの指輪

エレベーターは揺れる振動もあまりしない

102階まで移動したはずなのにすぐについた


あまりのスピードに驚いてしまった

そして扉が開く


そこにはビルの中のはずなのにプールが広がっている


正直意味が分からない・・・


僕は少女に尋ねた

「なぜ、プールが・・・」


少女は応える

「ただの生徒の遊び場所よ

冬でも暖房を室内で効かせて

プールを生徒が楽しめるようにしているの


長い休み時間やコミュニティの時間があるって言ったでしょ?

その時間に交流や遊び場としてプールが提供されているの

もちろんお金もかからないし

シャワールームもレンタルでタオルもおいてあるから

水着さえ持ってくれば自由に楽しめるようになっているの


このプールは学校側の生徒への配慮ってとこかな」


授業で使うプールならまだしも遊びで提供なんて・・・


少女は言い忘れたという顔で話を付け加えた

「授業用に他のプールが12か所くらいあるから

交流や遊び専用のプールの方が種類豊富で52か所あって

授業用より広さは少し狭かったり広かったり色々かな

このビルは205階までしかないけどプールの数が意外と多いのよね」


僕はやはりいみがわからない

「プールそんないらないだろ・・・」


少女は笑う

「私もそんないらないと思ったんだけどさ

新種の動物が見つかってから人が海に潜ることがとても増えたの


人が海で生活することができるようになったからさ」


さらっと少女はとんでもないことを言った


「は!!??人が海で生活!!!???」

僕は驚きすぎで大きな声が出る


彼女はまた笑う

「そんな驚くことかな(笑)

だってこれだけ進歩しているパラレルワールドなんだから

普通にあり得てもおかしくないと思うけど」


確かに進歩しているのはわかってきた

でも人が海で生活って・・・


「どんな生活スタイルなの?」

僕は聞かずにはいられなかった


少女は応えた

「新種の生き物が発見されてからその動物からヒントを得て日本人が

鱗呼吸できる機会を開発したの

ダイビングするときのように酸素ボンベは必要ないの

その機械はゼロリングの機能についていてね

ゼロリングをつければ魚と同じように鱗呼吸ができて地上と同じように

海の中で呼吸ができるの


それで洋服も進歩してね

海に対応している洋服が多く作られて

その服で海に入って、もし地上に出ると2秒で洋服が乾くの

髪に関してもつければ2秒で乾いてはりやつやのでるヘアートリートメントもある


ゼロリングで物の転送ができるようになってね

タオルやトリートメントが欲しければ家から転送できるようになったの

だからすぐなんでも自分の手元に持ってこれるから

ゼロリングさえあれば困ることはほぼないって感じかな」


なんでもありかよ・・・

と、つい思ってしまった


僕はずっと疑問になっていたことを聞いた

「ゼロリングってなに?」

僕はこれを最初に聞かなければいけなかったが気になる不思議なことが多すぎて

このことを聞けていなかった


少女は話してなかったっけと言わん顔で口を開く

「ゼロリングは基本すぎて説明すら忘れてたわ(笑)

ゼロリングを開発したのはフランスのレゼロって言う現在25歳の若い男性なの

その人がゼロリングを開発したのは21歳の時

物を転送することができる指輪の開発に成功したのが始まりだった


それからバージョンアップを重ねて今では分解できたり

形を自動で変えるリングになって

日本にもゼロリングは爆発的に売れたそして日本でも開発は進んで

VR機能だったり海で鰓呼吸の機能を果たせるように

様々な機能が追加されたの


お金を払うのもゼロリング

ゼロリングが盗まれないようにゼロリングは肌から離れないようになっているから

失くしたり盗まれることはほぼないかな

でも、頭の中で外すパスワードを5回唱えるとリングが反応してはずれる仕組みにはなっているけどはずすひとなんてめったにいない


バージョンアップしたら古いゼロリングのデータが勝手に更新されて最新バージョンになるから買い替える必要がないの


物を買うにしてもゼロリングがあなたの元の世界でいうスマホやパソコンの役割もはたして注文ができて転送されて届くって形になっている

VR機能で実際に触れる体験や着る体験もできて実物をみるのとかわらないから買い物に行く必要がなくなったの

ショッピングモールなんてのも一応あるけど友達とリアルで買い物したい人とかしかこなくて、足を運ぶ人は激減したかな

コンビニは廃止になったし配達業者もなくなったから失業した人が多かった・・・


ゼロリングができたことの最大のデメリットは色々な面で失業者が相当でてしまったことなの


そのことを分かっていたレゼロって人は失業者が働ける場所を提供したの

ゼロリングの開発に携われる仕事を提供したり

鱗呼吸の機能を開発してからは

海の中に町を作るプロジェクトを作ってそこで働く場所を提供したりしていた


だから今も現在進行で海の中に人の住む町が作られているの

失業者の人は相当いて各地の海で建物を作る活動が行われていくつもの海に既に町ができているの


人は海までもを占領しようとしている・・・」


僕は小さくつぶやく

「ゼロリング・・・

レゼロって人はなんて恐ろしいものを開発したんだ・・・

海までを占領なんて・・・」

言葉に生きずまる


少女は少し悲しそうに言う

「海の新種の生き物が怒って暴れないかが心配よ・・・」


僕は気になっていたワードを聞いた

「新種の生き物ってなに?」






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