第10章 24歳、決断する時

 俺は、法子と付き合うことになった。お互いに、恋人はいたが子供が出来てしまったのでは選択肢はない。結婚を許してもらうため親にも、挨拶も済ませていた。ただ俺は、全ての高校生の時の夢を思い出していた。

 今は、仕事も順調にいっているがこの頃から俺は統合失調症になりはじめていたらしい。それを、酒で紛らわし30歳まではなんとか仕事をしつづけ、うつ病やアルコール依存症と診断されたが最終的には統合失調症が原因だった。

 高校の頃の夢では、順風満帆に描かれていた付き合いも実はでき婚だった。

夢では、うつ病とアルコール依存症と診断を受けてから法子には、捨てられた。まあ、あんな状態の男を夫しては見れないだろう。

 ただ、子供が3人も出来ていたのだから二人は愛し合っては確かにいたはずだ。少なくても俺はそう思っている。

 旅行に行く夢、保育園に上がる夢、小学生になる夢。全ては高校生の時に見ていたのものだった。楽しい夢は、最近から思い出した。

 悪夢の俺は、精神病患者になり入退院を繰り返し退院しても。引きこもりの生活を送る毎日、苦しみながら暮らしていくのだ。それが、35歳ごろの俺の夢の終わりだった。まだ続きの夢は見れていない。ここまで来たら正夢だと確信している。

 医学界でも精神病は生まれつきなのか、後天性のものなのかまだわかっていないことが多い。ただ、一つ確かな事はこのまま進めばたぶん俺は精神病患者になる。なんて恐ろしい事だ。あの夢の数々が現実のものになるなんて、、

 ただ、何より生まれてくる子供達は、妖精の姿になって高校生の俺に会いにきているのだ。

 全ては夢だが、出産の時の感動も覚えている。

あの妖精たちの可愛さや美しさ、優しさを知っている。

 精神病院から出られるかも解らない人生だが、あの妖精たち、3人の子供達のいない世界は考えられない。

俺は、自分が壊れると知っていたが法子と結婚することを決断していた。

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高校生と精神病患者 @kamiya-24

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