第9章 精神病患者となった俺

 初めの夢に風景は、戻った。トイレと床に敷かれた敷布団がある。

俺は、高校生の頃の夢をみていたのか、、目が覚めて意識がはっきりしてくる。

今が現実なのは間違いない気がするが、俺は本当にヤクザと喧嘩をしただけで母親まで狙われるようになるか?

 家まで爆弾で爆破されることまで考えていた。ヘリで俺の事を追跡している。今いる警察署にもてし手下がいる。3日ほど牢屋に閉じ込められていた俺は、段々何故か自信がわいてきた。ヤクザだろうが、警察だろうが俺は悪い事はしていないはず。早く牢屋から出して事情聴取を受けたかったが看守がたまに見割り来るだけで三日目でやっと、牢から出してもらえた。

 白い制服をきた、警察には見えない男に案内された。

外の風景は俺が想像していたものとは違い、病院のような感じだった。変な言動をする精神異常者のような連中がウロウロしている。

 「麻薬中毒者か?」俺は思った。

訳も解らないまま案内されると、入谷医師と名乗る男が現れた。

 そこから、俺は無実なことを説明し早くここから出してくれるように頼んだ。

「あなたは、まだ正常な状態ではありません。うつ病とアルコール依存症でここに入院した事はおぼえていますか?」

この場所に、覚えはないが入院した覚えはある。

「あります。」

「貴方の病名は統合失調症という病気になります。」

「統合失調症?」

俺はパニックになったまま、部屋を出てここが閉鎖病棟であり今まで隔離室にいた事を母親からも説明された。

ここにいる、見るからに異常な連中と一緒?

そんな訳はないと思った。

これは、また夢だ。

隔離室に戻され、俺は色々な事を本当にごちゃごちゃ考えた。全部が非現実的で今までの事が全部夢かと思ったそんな事を考えながら俺はいつの間にか眠りについていた。

 目が覚めると変わらず、トイレと布団以外ない殺風景な部屋このままここにいたら本当におかしくなる気がした。

 鉄格子の間からは時計が見える。時間はAM3時だった。

隅っこに咲く小さな花から、小さい3人の妖精が小さな声で俺に向かって目をまっすぐ見ながら言っていた。

「早く会いたいから、病気を頑張ってなおして」

俺は幻覚を見ていると思い目を閉じた。

「頑張って私たちは待っているから」

「パパを信じているから」

そんな声がずっと聞こえて、俺は眠れなかった。

ただ、これが35歳の俺の現実である事だけはなんとなくだが、その妖精達のおかげで気づく事ができた。





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