第七章 出産
また高校生の夢に戻る。
「なんだか陣痛がしている気がする・・」
「解った。すぐ車で病院まで送るから」
病院へ急いだ。朝の8時頃、会社にれんらくして休みを取る。
法子の出産は結局、夜の11時頃までかかった。
同じ日に出産していた、他の女の人は叫び声や
「あんたがこの痛みを変われ!」と夫に対する罵声が酷かったが
法子は弱音や叫び声も上げなかった。
ただ、苦悶の表情だけはだしていた。
「痛みは大丈夫か?」俺が聞くと
「大丈夫」とだけ答えた。出産の際に痛みのセンサーがピークに達しても
泣きごとひとつ言わなかった。
喫煙所に行くと先ほど、
「お前が変われ!」
と妻から叫ばれていた男とがいた。
「女って出産のとき、こわいですね。」とのんきな口調で言った。
俺は、法子がそんな暴言や弱音を吐かなかった事を告げると
男はつまらそうにその場を離れて言った。
そこで夢の場面はかわり、赤ん坊はもう生まれていた。
「よく頑張ったな!ありがとう。」
と法子に告げた。
出産室を出ると、法子の父親と母親が立ったいた。
二人の姿を見て、なぜか俺は号泣した。
幼稚園の頃に、父親に捨てられて。
母親は、仕事とギャンブル依存症でほとんど家いなかった事なぜか突然思い出していた。親の愛情を受けた覚えがない俺が、父親になれるのだろうか?
そんな不安が俺の深層心理にあったのだろうか?
一番い感じたのは、法子への感謝の気持ちだった。後は、法子の両親が二人で寄り添っていることへの感動、これが夫婦なんだと思った。
そして、こんな俺を父親にしてくれた感謝の涙、感情がぐちゃぐちゃの中に俺はいた。
やはり生まれてきた子どもは初めに見た夢の一番大きい妖精ににていたきがする。
子の赤子の目と、出産後の法子の瞳は一生忘れない気がする。
忘れていたが高二の時にこんな素敵な夢を見た事を思い出していた。
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