第3話  クリニックへ

 本当に何をどうすれば何時もみたくに眠れるのだろう。


 2日は全く眠れず、と言って3日になっても一睡も出来ず。

 

 眠れない事。

 食事が摂れない事。

 水分は何とか少しだけ飲む事が出来た――――と言ってもそれは狭心症の薬を飲む為だけのもの。

 それも半ば強制的だった。


 食事は食べ易いものを母が用意し態々わざわざ二階の寝室まで運んでくれた。

 でも結果朝まで何も食べられない。

 ベッドの中でずっと泣いて謝って、自分の心が一体何を求め何をしたいのかが全くわからない。

 こんな事は生まれて初めてだった。

 

 そしてめっちゃ心が痛くて……辛い。


 年明け早々私の心と頭の中はこれの繰り返し。

 当然周りの事なんて何も考えられないし何も出来ない。

 家事何て思い浮かぶ筈もない。

 そして仕事も――――。



 普通ならば一方的に、然も声高に叫んだ末に相手の返答を待たず電話を切るなんて、絶対に有り得ないし社会人として終わっていると思う。


 でもこんな考え方が出来る様になったのもつい最近になってから。

 それまでの日々は色々考える余裕なんてものは何処にも存在しなくて、常に何かの恐怖に駆られている日々を送っていたのだ。


 そうして1月4日の朝となり、家族がお正月でも診てくれるだろう心療内科を探し出せば半ば……いやいやあれは完全に私が拒否るのも構わず車の中へと問答無用に押し込まれ、母と夫の三人で今出川通り近くにあるクリニックへと連れて行かれたのである。


 

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