推しがクラスメイトなのだが俺以外気付かない

わさびきい

俺だけが知ってる推し

僕のクラスには、人気ユーチューバーの緋色 心愛ココアがいる。

彼女は、転校生として学校にきた。偽名などは使わずに配信の時のまま来たから初めての時は凄い驚いた。驚きすぎて、立ち上がってしまった。

クラスメイトにめちゃくちゃ変な目で見られてめちゃくちゃはずかった。

でも、おかしいことが一つだけあるんだ。クラスメイトが誰も、彼女が心愛ちゃんとは気付いてないみたい。

心愛ちゃんは、ネットを嗜む人なら誰でも知っている程に有名なはず…なのに誰も気付かない…なんで?

まあいいや、心愛ちゃんを独り占めできるし、どうでもいいか。


僕は、スパチャをすることは出来ない。親に規制されているからだ。

でも、直接会って渡すことはできる。だから今日は、少し高めのネックレスを持って来た。喜んでくれると嬉しいな。


「心愛ちゃん、今日はプレゼント持って来たよ。」

「えっ、ありがとうございます。開けても…いい?」

「いいよ。」

「やった~…………あ、これ欲しかったネックレスだ!!ありがとう~。………でも、これって高価じゃなかったっけ?」

「最推しのためなら、なんでもできる。心配しなくても大丈夫だよ。」

「面と向かって最推しって言われると…流石に…恥ずかしいです。」


照れてる心愛ちゃん可愛い。あ~幸せすぎる…


「でも、無理はしないでね。」

「わかった。………そろそろ、授業だから俺は行くわ。またあとで。」

「またあとで。じゃーねー。」


心愛ちゃん可愛いすぎる、まじで疲れが癒される、ここは天国か?よし、今日も一日頑張るぞ。


《放課後》


「心愛ちゃん、一緒に帰ろう。」

「いいよ!」


俺と心愛ちゃんの家の方向は全く同じなのだ、最高。


「なんか、こんど配信でしてほしいゲームとかある?」

「う~ん、イカブラかマオリカートかな。」

「マオリカート面白いよね。ここあもちょくちょくプレイ動画見てるんだ。いつか配信したいゲームリストに入れとくね。」

「やった~」


そんなことを話している間に商店街にたどり着いた。


「俺はコロッケ食べるけど心愛ちゃんも食べる?」

「うん。食べる。」

「じゃあ買って来るね。」


ここでコロッケを食べるのは、日課になっている


「おばちゃん、コロッケちょうだい。」

「はい、45円ね。」

「50円でお願い。」

「はい、お釣りの5円とコロッケね。また来てね。」


「心愛ちゃん、またせてごめんいっこっか。」

「大丈夫だよ。電車までまだまだ時間あるから大丈夫。」


可愛くてやさしいって天使かよ。


「まあ、でもちょっとだけ急いだ方がいいかも。配信まで20分しかないし。」

「じゃあ、ちょっとだけ走るか。」

「うん、でも私あまり走るの得意じゃないから置いてかないでね。」


《少年少女移動厨》


「はぁ…はぁ…はぁ…置いてかないでねって……いったじゃん。」


ちょっと怒ってる、心愛ちゃん可愛い。


「ごめんごめん。」

「まあ、いいよ。そろそろ、電車くるから帰るね、じゃーねー。」

「また明日。」


「さて、俺も帰らないと。」


《家到着》


家に着いたら直ぐに夕食だった。オムライスだった。嬉しかった。

俺は部屋に戻った。

そう言えば…今、ダーグル心愛ちゃんを調べると、気分が悪くなるから調べない方がいい。

緋色心愛で調べると「緋色心愛 炎上」

「緋色心愛 炎上 出火元」「緋色心愛 炎上 原因」「緋色心愛 炎上 配信中」「緋色心愛 炎上 悲しい」etc.…

今まで心愛ちゃんに興味ない奴等が心愛ちゃんを調べて叩いている。本当に気分が悪い。

俺は、今調べて。気分が最悪になってしまったから、今日は寝ることにした。おやすみ。


《次の日の学校》


「心愛ちゃん、昨日の配信見たよ。」

「ありがとう~。」

「ネックレス着けてくれたんだね。嬉しかった。」

「あのさ…………そろそろ、現実見たら?」

「え?」

「ネックレス着けてるの気が付いてくれたんだ。嬉しい。あのネックレス気に入っちゃったんだ。」

「そんなに喜んでくれると。嬉しいよ。」


今日も一日頑張れそう。





















「あいつ、また一人で喋ってるよ…」

「緋色心愛ちゃんと話してるつもりなのか?」

「恐らく。」

「緋色心愛ちゃんは、先月の配信中の火災で亡くなっちゃったのに…」

「そろそろ現実を見てほしいな…」

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推しがクラスメイトなのだが俺以外気付かない わさびきい @Sakari

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