藍田カホの挑戦
あなたと深く触れ合う時間が増えてきた。
というか、無理矢理そうさせているが正しい。
思春期を無垢なまま過ごした我が身にもグツグツと煮え滾る、あんな想いやこんな感情を抑えるのはもうたくさんなのだ。
我ながら、良く耐えたと思う。
親友他一名に真相を明かしたところ、
「物分りが良すぎるにも程がある……」
こらでもかと渋い顔で呆れられ、
「あのオッサン、説教してやる!」
同時に怒りを爆発させたくらいだから。
けれど、人生初の彼氏持ちとしてはあの穏やかでと〜っても甘い時間の数々があったお陰で〈交際〉の何たるかを知り得た部分もあるのだ。
考えてもみてくださいよ。
免疫力皆無のお子ちゃまがダダ漏れする男の色香に圧倒されてナスがママ、キュウリがパパだなんて、その後はどう考えても流されるだけ流されて慌てふためいて溺れ沈むのが関の山、てなもんです。
え、覚醒が早まるだけ?
みんな、そうやって大人に成っていくもの?
そうか……確かに、そうでした。
辛抱強く待つ必要はなかった。
大変失礼しました。
どちらにせよ、あれ程までに長い焦らしは想定外だったので、塵が積もり山となった我が欲望は、あなたとの距離をマイナスにするほどに近付くことで思う存分満たしていく所存です。
手始めとして、捧げるばかりの唇を奪ってみた。
神の子生誕祭をこれ幸いと利用し、仕返しとばかりに焦らしに焦らしてみたら、見事成功。
ごちそうさまでした。
してもらうだけでは不満なんです。
押して、押して、押しまくりたいんです。
そして、我が身の更なる覚醒を促すのです。
嫌がることはしない前提、でね。
うふふのふ〜♪
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