第2話 自粛とは勝ちの戦法なのか

『自粛要請が来たから自粛する』っていうのは戦略がありません。要請をしてきた側が戦略を持った上で戦術として要請を出したなら従うのはありですが、その出所に戦略の存在がみえなければ、何も考えずに従うのは心中するようなものです。そういった場合、自ら戦略を立てた上で要請に沿うような行動選択を取るのが筋ですが、いかんせん後手に回ってしまっているので苦戦にはなります。

(↑あくまでも兵法の立場としての見解ですので『みんながこうするべき』という意見ではありません!)

 ともあれ成人である以上『だって●●がこう言ってるから!!』は通用しないんです。


 当道場は昨年二月に早々と閉鎖したのに続き今回の「緊急事態宣言」においては、年末に東京都が『特別警報』を出した時点のクリスマス前にすべての稽古、展示会のためのリハーサル、撮影を取りやめ、年が明けると二月予定していた東京eスポーツフェスタに合わせたコンバット交陣第三回トーナメントも中止しました。しかしこれは自粛ではありません。今後の生産性を上げる為の時間ができたのです。COVID-19は年単位の話になる、と私は昨年からFacebookでは警告して来ましたが、尾身会長が数年かかるとの見解を2021年3月の国会で明言されていましたね。


 2020年政府からの要請を待たずに閉鎖を即座に決めた経緯は以下のような理由です。

1 予約した中国人のお客様が自ら早めに受講を辞退&お詫びのメッセージを送ってきた事

2 国内において蔓延する前に閉じる事でCOVID19にまつわる問題による風評被害を避ける事

3 COVID19に比較的弱い年齢の家族を守る事

4 COVID19による二次感染を防ぐ事で顧客を死亡させてしまった際の損害賠償請求の原因を未然に防ぐ事


 経済的にやむをえない場合は閉鎖というのは考え難いのかも知れません。でも色々熟考した結果、我々にとってはデメリットの方が突出していたので閉鎖を決めました。(死なない限りは再度教室は開けますし)


 あとは....武蔵先生が『神仏を尊び神仏に頼まず』と言っている以上、東京支部の長として神頼みするまでに堕ちる事は絶対避けたいなと。

 武蔵先生が兵法として掲げている以上は東京支部としての方向性は脅威からの完全【長期】離脱を選択し再開の数の目安も設けました。これで結果的にこの問題とは別次元に存在して道場の奥で兵法そのものを研究開発できる事が可能になりました。あっちが要求する前に主体的に籠城するわけです。この令和の世界にはデジタルから刻々と新しい哲学や社会が生まれつつあります。我々は克服しなければなりません。

 あとは「数」が終わりを知らせてくれたら何も悩まず迷わず門を開くのみ。相手(コロナ禍)の動向を注視し続け影響を左右される受け身精神では勝つ余裕など持ち得ません。

 

 迷う時間が長いほどに脅威は増して、より複雑な行動選択が求められてしまいます。危険回避というのは目先の行動になってしまうのでいわばベトナム戦争のような泥沼にはまってしまいます。危険回避ではなく危機回避を行わないと終わりのない戦いへと引っ張られていくのです。


 わかりやすく身近な脅威として例えると、例えばアメリカのロサンゼルスにある有名なスラム『スキッドロウ』というのがありますが、危機回避(戦略)の行動選択は『スキッドロウには行かない』です。一方危険回避(戦術)の行動選択は『スキッドロウに行くので防護を備える』です。


 迷ったり事態の行方を見守るのは相当に脳と精神の負担となりますので疲れないわけがないです。コロナウイルス対策などには本当に消耗します。彼岸から武蔵先生が言うでしょう。「対策で疲れる、その間隙を突くのが向こうの戦法」だと。小競り合いや様子見はせずその手で軍配をしっかり持て、と言うでしょう。



 


 

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