続・モノノフ雑記
kanemitsu
第1話 勝負
勝負する対象が自己であるか面前の者であるかで内容は大きく変わる。
勝負対象が自己である者同士の対戦は、競技者との縁がない者から観ても観戦に耐え得るものになりやすい。
勝負対象が自己である者は「当たる」事を良しとせず、確実に「撃つ」事を是とする。 そして勝負に深入りをせず、場の切り替えがうまい。
(当たると撃つの違いは『モノノフ雑記』「兵法の拡張」に仔細あります)
勝てば良しとする試合というのはいわばエゴイズムなので、元々ファンであるか親近者でない限りさほど魅力は感じないだろうし、其れは自然美から大きく外れてしまう。これは危うい。
「勝てば良し、というのは守りに入っているからではないですか?」と門人が質問してきたが、まさしくそうなのだ。と同時にその精神状態はある意味恐怖から来るものでもある。
しかし勝負対象が己自身であればどこまでも楽しめるし、死ぬまで「勝負」は続くのだ。これを成長という。
例えばオーディションの場において普段以上のものを出そうと意識する者は、審査する側から観て、たったそれだけの心持ちが禍して魅力が劣ってしまう。
一方で普段通りに自己との戦いに興ずる者は、その楽しさが周りに影響して審査側からすると、とても活き活きとし魅力が溢れる様に取られ、有利に働く。
演目が演目通りの手順で出来なくとも何も慌てる事は無い。ほんの一部をお見せしたに過ぎないからだ。
失敗したと思っても其れも含めて勝負だし、その失敗を楽しめば周りはその楽しさを評価する。
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