3.
貴方は月に降り立つと、孤独な台座の上の十字剣を握って引き抜いてみる。
思ったよりもしっかりと、それでいて軽い素材で作られているようにも見える。
「虚空から虚構が生まれ、再び虚無へと辿り着く」
貴方はシオリのもとへと辿り着いた。
「何だこれは?一体何がどうなっている⁉」
騒ぐシオリに剣を向けると、彼女は驚きを隠せない様子で怯えている。
「主人公の亡霊だとでも言うのか⁉」
シオリに十字の剣を力いっぱい突き立てると、無数の鮮やかな虚無の色が凄まじい勢いで辺りに飛び散っていく。
黒い棘の塊に突き刺さった十字架は、鮮やかな色に染まり、淡々とそこに佇み続けた。
貴方がこの世界を導き、滅ぼした。
随分と辛辣な終わり方だと感じた貴方は再び10の地点へと物語を『進めた』。
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