タカエのドレス姿にノックアウトする長男
気まずい!!
さっきの惨めな壁ドンと逃したキス。後で考えたら恥かしい告白!
しかも部屋に鍵をかけられたのかタカエが出られないという状況。
俺は自分の部屋の壁のヒビを見て話題を逸らした。
「あーあ…ヒビが…。な、直すのに金払うのもっ、もったいねーべ…あはは。自分で何とか修復方法教わってくるだかな!?」
と言うとタカエは
「そ、そうですね…」
と下を向いている。
「さ、さっきは困らせて悪かった!タカエの気持ちも考えずにやり過ぎた。いや、ほんとにすまない!……で、でもこのドレスはタカエに着て欲しいというか何というか…」
「そ、そんなにですか?……なら少し試着して来てもいいですか?洗面所で」
と俺の部屋の奥についている洗面所でタカエは試着するようだ。狭いのに!
でもよく考えたらどんなドレスを殿下が送ったのか確認していない。
「わ!ええと!あそこは狭いからここで着替えていい!俺の方が洗面所にいるから!着替え終わったら呼んでくれ!!…サイズがピッタリかどうか着てみないと判らないし!!」
と言うと俺はそそくさと洗面所に逃げた。
はぁーー!ひとまずここで落ち着こう!!深呼吸!深呼吸!
と床にズルズルと座り心を落ち着けていると少しして声がかかった。
「ぎ、ギルベルトさん…終わりました。いいですよ」
と声がかかり俺は洗面所の扉を開けるとそこに眩く美しい天使!?がいた!!
思わず目を細めた!!
真紅のドレスを纏っていたタカエ。デザインは何ともセクシーだった!!
タカエの胸が大きくて主張し過ぎてこれでもかと谷間強調の露出部分が多く男なら嫌でも視線が集まる。胸の上部分にはレースが一応ついてるけど空いた谷間に視線が集中する!!腰も細くて余計に胸は目立った!!
ううっ!な、な、なんて刺激的な格好!あ、あの王子は何を考えているんだ!?いや、王子は元々女好きだ!今はエミ叔母さん一筋だけど。
と思っているとタカエは恥ずかしそうながらも
「あ、あのどうですか、私的にはこれピッタリなんですが…。胸も苦しくなくて良いというか、全体的に可愛いですね」
と言うから驚く!
「タカエ!ドレスを着たのは初めてなのか?そ、そんなに露出してるじゃないか!胸部分だけ!無理してないか?文句言ってもいいんだぞ!?」
俺は谷間から微妙に視線を逸らす。
「でも親戚の結婚式とかは制服で行ったことあるんですけど他の参加者の皆さんの式典用のドレスとか花嫁よりも目立つものが多かったですよ?このくらいの露出してる人もいました。私の世界だからここがどうかは判らないけど映画なんかでもこう言うドレス着てる人は沢山いましたよ?」
まるでこれ普通なんじゃないの?みたいに首を傾げている!!無知!!そりゃ確かにそんなドレスを着て男を誘うマダム達はいるだろうけど、基本的に未婚女性は肌をあまり人前で晒さないようにしている。好きな人とかの前では別だろうが。
「タカエ!や、やはりそれダメだ!!目立つし!む、胸が!」
「ええ!?ああ、家畜だから?」
「ち、違うって!!そんな刺激的な格好…他の誰にも見せたくない!!」
と俺が言うとドレスほど赤くなるタカエ。タカエは震えながら言う。
「ギルベルトさん…。わ、私昔から安優香に太らされて…が、学芸会…演劇でも裏方で主役なんてとてもなれなくて。主役のお姫様役の安優香はドレスを着ていてとても似合っていてう、羨ましくて…私なんて一生着ることがないものと思って生きて来たんです!」
と言った。
うう!そんな話されたらドレス着れて本当に良かったなタカエ!俺もタカエに似合うドレス贈りたいけどタカエの胸のサイズだと絶対に高いオーダーメイドの一点モノになるだろう!!一体いくらするんだ!?
「そんな…辛かったな…。で、でも今はタカエが努力して頑張って痩せて着れてるじゃないか!!お、俺は刺激が強すぎて倒れそうだけど…」
と言い本当に鼻血出そうになり顔を抑えた。
「だ、大丈夫ですか?私にはピッタリですが…ギルベルトさんが辛いなら…やはり自分で作った方が…」
「い、いや…殿下から頂いたものを着てこないと不敬罪だ。そ、そうだ、せめて胸が隠れるくらいの花のアクセサリーを買ってくるから!!隠そう!!」
と提案した。
「ああ。そうですね…メジャーがあれば隠れる所のサイズが正確に判りますけど…ここには無さそうですし」
「メジャー?」
「私の世界の裁縫道具の一つです。この世界の人はただの紐に印をつけて大体で測ってるみたいですがメジャーはきちんと測れるようメモリも付いているし長さが正確に測れるものなんです」
「う、うん?よく判らないけど凄いな。やはりタカエの世界の物は。で、でもそうか、ちゃんと測らないといけないのか。紐しかないけど…」
とゴソゴソと俺は紐をタンスから探して出してきて渡すとタカエがドレスの空いた胸部分に紐を当てて見て長さを測って印を付けた。
あああ!!測っている時のタカエもなんてセクシーで刺激的なんだろう!!ヤバイ!何かがヤバイ!と俺はもうノックアウト寸前だ。
ドアを破壊してタカエを外に出すべきか俺が出て行くべきだろうか?
ともかく測り終えたタカエは紐を渡す。
「この印のとこまであるアクセサリーを明日買ってくるよ!任せろ」
「はい…なんだか手間が増えてごめんなさい…」
「い、いや!俺がこだわっているだけで済まない!タカエごめん!」
と謝るとタカエは恥かしそうにこちらを見て
「いいえ、私の胸が大きいのが悪いんです…」
と言うので俺はクラリとした。
そんな!なんてことを言うんだ!大きいのが悪いなんてあるわけないだろう!?全ての男性にも好みはあるだろうが!
「いや、俺は大きいのももちろん好きだぞ!タカエ限定だけど!!」
と言うとタカエは煙りが出るように
「ぎ、ギルベルトさん…あ、あんまり見ないでください…も、もう…これ脱ぎたい…」
と困っている姿に俺はおかしくなりそうなくらいドキドキした。思わずタカエの腰を持ち言う。
「そんな…も、もう少しだけ見せてくれる?タカエの綺麗なドレス姿…」
「ぎ、ギルベルトさん!ち、近いです!そ、そんな美しい顔で見られたら私…むむむ、無理です!恥ずかしくて死にそうです!」
と泣きそう。泣きそうなタカエも可愛い。
「い、いや見たいんだ。タカエが…迷惑で困らせて悪いけど…は、初めて女性を好きになったんだ…。それまで俺の頭は金しかなかったくらいだ!金以外で夢中になれるのはもうタカエしかいないんだ!
タカエが元の世界に帰るの本当は嫌だけど…その時が来るまで…俺のこと好きになってはくれないか!?」
俺は頑張った。もうこれ以上ないくらい好きで気持ちを伝えたからこの後タカエにすっぱり振られてもいい!
ドキドキしながら返事を待った。
沈黙の後タカエはこちらをなんとか見て言う。
「私…なんか…でいいんですか?後悔しませんか?」
それに俺は
「絶対にしない!!…タカエ…好きだ!」
と言うとタカエはまた泣きそうになり
「うう!ゆ、夢みたい!こ、こんなカッコいいイケメンが私を好きだなんて!し、信じられない!」
俺はタカエの手を取り首を振る。
「夢じゃないし信じてくれ!俺はタカエにきっとのぼせるくらい好きなんだ!!ていうかもう何回好きだと言わせれば気が済むんだ?タカエ!いや、何回でも俺は言うけど本当に好きなんだ!好きで好きで…」
と言うとタカエに空いてる指で唇を止められた。
「も、もういいです!恥かしい!言い過ぎですって!ギルベルトさん…わ、私も貴方が…好き…です」
と小さく言ってくれた!!
瞬間俺はタカエを引き寄せキスした。
タカエは少し震えたけど受け入れてくれた。
「ありがとうタカエ…好きだ」
「ひい…まだ言うんですか?」
「当たり前だ。大好きだ!」
目をぐるぐる回すタカエに俺は何度も好きだと言い続けてタカエの手の甲や指にキスをしまくった。今はそれが精一杯だ。
「いや…も、もう勘弁してください…ギルベルトさん…!」
と言うけどこんなに可愛いタカエを中々離してやれない。本当に済まない。
それからようやくタカエと恋人同士となった俺たちに家族たちは拍手やひやかしを始めしばらく落ち着かなかった。
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