第11話

クリスマス当日…よくよく考えてみたら彼女が出来たのって初めて?だよな…しかもクリスマスに女の子と過ごすなんて、考えられないな本当に。


今更動揺している僕に構わず、手を繋いでスキップする有未さんは、ある意味逞しいとさえ思っている。


「優希君!今日はチキンだね☆」

「えっ!?僕そんなにビビってる!?」


「??優希君チキン嫌いなの?美味しいのに」


しまった…そっちのチキンかぁ…緊張のせいで頭が回らない!?落ちつけ…落ちつけ自分。


「ケーキ買って帰ろうね☆」

「了解です…」


ん?「帰ろうね?」ってどういう意味だ…

アンタどこに帰るんだい?何のプランも聞かされずにノコノコ付いてきている僕も僕だけど…


「有未さんごめん。彼氏なのに全然プランとか任せちゃって…」


そう…さりげなく今日のプランニングを伺っているのだ…


「ん?今日は優希君私の家でお泊まりデートなうの予定だよ☆」


お泊まりデート!?!?

何言ってんだこのビッチは!!?

落ち着け…もちつけ!?


「ケーキは苺だよねやっぱり☆」


この人ケーキの事考えてるよ!?何この冷静な感じは!?慣れてるの?お泊まり慣れてるのおぉぉ!!?


僕が動揺と焦りを感じている間に、有未さんの家に到着。お邪魔しますと一言添えてから家に上がり、僕は有未さんの部屋に案内された。


「さぁ!チキン野郎パーティしよ☆」

「誰がチキン野郎だ!!」


まぁ…緊張は少しなくなり、テーブルに並べられたケーキとチキンを前に、嬉しさと楽しさが込み上げてきた!


「いただきます☆」

「いただきます☆」


クリスマスってこんなに幸せなんだな…

リア充クソとか思ってた自分がアホ臭く感じてきた。今まで食品を調べてきた甲斐もあって、チキンもケーキもグルメサイトで評判の高い店で購入!とても美味しかった☆


「ねぇ優希君。カップルってお泊まりすると何をしなきゃいけないの?」


唐突にフラグを立ててくる有未さんの発言に言葉を失った…

だが、ここは漢として言わねばなるまい…


「かっカップルは誰にも邪魔をされないように…邪魔をされないように過ごすのだ…」


全く意味がわからなかった 泣

いや、そんな事を急に言われても何て答えて良いのか分からないのだ。


「冷蔵庫にホイップクリームあるんだけど私に塗るとかしないの?」

「どんな企画のエ○ビデオ観たんだ!?」


有未さんのビッチ節に、逆に僕は変な事を起こさない自信の方が強くなった。


「優希君は偉いね☆こんな可愛い女の子とお泊まりしてるのにエッチな事しないなんて!!」


色々と思う所はあるが、お褒め頂き光栄です。


「ピンポーン」


家のインターホンが鳴り響く。

有未さんは「部屋で待っていて」と僕に伝えて、玄関に向かった。

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