直観でパンツの色を当てる男の話

作者 成井露丸

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★★★ Excellent!!!

あくまで真面目にはちゃめちゃなことを書いてくるのが本当によいです。
いつのまにか私たちは彼の思考に侵されていくことでしょう。
それはとても素晴らしい、尊いことなのだと!

基本的にじわじわ笑える作品となっております。
誰も不幸にならないので安心して楽しんでみては?

★★★ Excellent!!!

直感で選んだ作品だったのだが、これは恐るべき先見性とセンセーショナルさを併せ持つ快作である。
タイトルの通り、爽やかに下着の色を言い当てる少年が主人公となるのだが、果たしてその技能を以て何を為すのか。
……決まっている。日本の改革だ。

下着とは「下に着る」と書いている通り、通常、決して見えることはない麗しの桃源郷である。
見えることがないものに、果たして人はなぜ固執するのか。そこに世間体や体裁というものを越えた、人心が存在するからである。
着る者の意識、または無意識が紡いできた歴史。それが下着の色に現れてくるということだ。それを少年は慧眼で見透かしてゆく。
人に見せることのない、できない、影の部分を優しく許容されるというのは、その人にとってどれだけの安心をもたらすだろうか。
言い当てられた者は、彼の中にある未曾有の包容力によって虜になっていくのだが、無理からぬことだろう。
時代は流れ、ともに人心……下着も変わってゆく。この不安な時代、多くの課題が人心を曇らせている。
彼の曇りなき眼こそが必要なのだろうなあ、と我ながら上の空であった。

「膨大な経験と思考。その縮約として得られる言葉にできない直観を通して――パンツの色は見えてくるんですよ」
世界よ、誇るがよい。これが新たな時代を築く日本男児の台詞である。