第9話 サジ・アイネンの革命
じきに日が暮れる。暗闇は得意だ。
ミアプラのリーダー、サジ・アイネンは我々を迎え入れようとする影に身を委ねる。心地の良い闇だ。自分の背後には直属の部下たちが控えている。無能な一般人ではない、はるかに有能な部下たちが。
全員は起源を有し、人の上に立つ権利が与えられ、しかし同時に哀れな存在でもある。だからこそ行動をともにできる。ある意味での運命共同体。
自分がミアプラのリーダーであるのは単にフラクタルの根幹に近しい存在だからだ。それを理解した上でこの立場を惜しみなく利用している。お互いの利害が一致しているからこその最善の選択。
「準備オーケーっす」
部下の声を聞き、閉じていた目が開かれる。
日も落ちた。頃合だろう。警備隊の交代の時を狙って侵入し、目的のデータを入手する。それで今回の仕事は完了だ。
長い金髪が揺れる。長く伸ばした髪は邪魔だと思うときの方が多いが、以前の自分とは違うと認識させてくれる。
「革命の時間だ」
サジ・アイネンの言葉に、その場にいた一同が頷いた。
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