この子猫の子?(3)
(今までずっと寝ていたイドは、ふと飛び起きた)
イド:……………!今…何時だ?
………リエル…お前、ずっとここに居たのか?
日向:よく眠れました?今5時限目です。
リエルなら昼休みからずっと寝てますよ。一応牛乳は飲ませたのですが……
イド:そ…そうか…(ダメだ…まだ……ふらつく………)
(仔猫を抱くとまた寝てしまう。その様子を見た日向は額に触れる)
日向:(先ほどから顔が赤いとは思ってたのですが)やっぱり…熱が……
悩み過ぎですよ…イド君。双子の弟ですから、心配なのは分かりますけど……
リエル:ん……みゃう?
(それから少しして、突然リエルが布団から出てきた。扉の方を見つめている)
日向:どうしました、リエル君?その姿でお出かけはまずいと思うのですが。
(枕元から走り去ると、机の引き出しの前に立って引っ掻いているようだ)
日向:…?ここに何かありましたっけ?
(引き出しを開けるとリエルが潜り込んでしまった)
どうしたんですかね…?
ええと…閉めちゃいますよ……出てらっしゃいな。
(その時、時限終了の鐘がなって……)
ビリー:失礼します…イド君とリエル君の荷物、持ってきました。
日向:おおっと…そうでした。ありがとうございます、ビリー君。(間一髪…ですね。流石です、リエル…)
リエル:……な……う
(引き出しの中から微かに、引っ掻くような音が聞こえる。引き出しを開けると勢いよく出てきたが……)
日向:うぉっ…ま………真っ黒に…!
リエル:みゃーう……
(必死に毛繕いをしているが…相変わらず真っ黒である)
日向:身体……洗います?そのまま戻っても……大変でしょうに。
リエル:…………うみゅう…
日向:ちなみに…水、怖くないですか?(動物のお風呂で一番難関なのは水を恐がること、ですからね)
リエル:………うみゅう?
(よく分からない、といった表情だ)
日向:……では、遠慮なく。洗わせていただきますね?
(豪快に手洗い場で身体を洗う。リエルは気持ちよさそうだ)
リエル:…ぷるぷる…
にゃう…にゃう………
(真っ白に戻ったリエルは仕上げの毛繕いをしている)
日向:さて…そろそろ終業時刻ですね。家に戻りましょうか?
しかしイドはともかく、あなたの姿は見られたらまずいですね………(せめて、学校の外に出るまでは……)
リエル:み……?
(鞄の前で座り込んでいる)
日向:え、鞄に入るんですか?結構狭いですよ。服が…なかなか……多いですねぇ…
(着てしまえば何て事無いのですが、制服って結構スペースとりますね……)
リエル:……!みゅう……うみゅみゅ…
(ベストポジションに収まったようだ)
日向:………ふぅ。無事につきましたよ。
(鞄を開けるとリエルも勢いよく飛び出した)
(ええと…イドは。隣の部屋ですね…)
リエル:みっ…
(脱ぎ捨ててあった服を噛んで布団に潜った。)
……………ぶはっ。はぁ…はぁ…
も…戻った……。そうだ…イド……?
日向:よし…これで。後はリエル君ですねぇ…(イド君が起きるまでの事を考えないと……)
リエル:あのね、戻ったよ!
ありがと、先生!
日向:ああ…良かった、戻れたんですね。
(……不思議、ですねぇ。)
じゃあ、イド君の介抱を任せて大丈夫ですか?熱が出てしまったようで…
リエル:うん!任せて!ずっと気になってたの。起きないから……
日向:イド君が起きたらこれを渡してください。リエル君も徹夜は控えなさい。身体に障りますよ?
リエル:むー…がんばる!
日向:良い子です。では、また学校でお会いしましょう。
リエル:あのね、またねせんせー!
イド:………(ここは……家…か?)
そうだ…リエル…?何処だ?
リエル:あのね、おはよう!
(ようやく起きた相方に体当たりするリエル。彼なりのスキンシップだ)
イド:ぐほっ…いてて……
…………!?リエル…戻った…のか?
リエル:あのね、さっき戻れたよ!
そうだこれ…先生からって!
(何かの包みを差し出した)
イド:……ん?薬……か…
(そういえば…相変わらずふらつくんだった…)
(飲んだら少し楽になったようだ)
守護天学パロ 限前零 @rieru_sai
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