この子猫の子?(2)
(二人と一匹は、更衣室から医務室に場所を移した。姿を隠すにはうってつけだからだ)
日向:……で?リエル君はいつからこんな姿に?
(仔猫は日向の膝の上で丸まっている)
イド:……ええと…ビリーが更衣室で着替えるリエルを見てるから…その後だろう。遅れぎみで誰も部屋には居なかったらしい。
てっきり先生ん所居るのかと思ってその時は気にもしなかったけど、授業始まって10分位して捜しに行ったらこれだ。
(仔猫を撫でる)
日向:……しかし……どうしたもんですかね?授業どころじゃ無いですねぇ…(教室が大騒ぎになるのは容易に推察できます)
イド:そうだな…いつ戻るか分からねえ以上、早退させるべきなんだろうか?
……だが早退なら俺も帰らねーとこいつ、部屋荒らしそうだな…(未だにこいつが弟だと信じられない、ただの仔猫にしか見えない)
日向:授業の間に預かるだけなら、私が面倒見ますけど…イド君も具合が悪いんでしょう?
イド:……頭のキャパオーバーだ。解決案が見付かりゃどうにかなる…多分。
日向:…とりあえず今日はリエルは早退で良いんではないでしょうか。明日戻らないなら改めて検討する…と。
それに…イド君はちょっと寝たほうが良いですよ。ふらふらじゃないですか。
イド:……確かに、な…落ち着かないと解決案も浮かばねえか…
ちょっと寝るわ。リエルを頼む。(起きて夢でした、であれば良いのにな……)
日向:ええ。治まらなければそのまま貴方の分も早退手続きしますから…
リエル:くあ……
(リエルは暖かくて気持ちが良いのか、日向の膝の上で大あくびをしている。その様子を見た日向はどこから取り出したのか、猫じゃらしを振っている)
…んみゃっ…?
(猫パンチ発動)
……たしっ…ぺしぺし…
(普通の猫と遜色ないほどに熱中している)
日向:げ…元気ですね…
とても徹夜明けの人(?)とは思えない動き…
(イド君も徹夜したら猫になったりして…いえ、止めておきましょう。具現化しても困ります。)
(一心不乱に猫じゃらしをかじっていたが…)
リエル:………!なーう。
(一瞬時計を見やると寝ているイドの枕元に突進した)
日向:時計が…何か?
(時刻は時限終了ギリギリの11時45分だ。)
ちょっと…リエル、無理に起こしちゃ悪いですよ?調子が悪いときは寝かせてあげましょう。
リエル:………にゃーん?
(日向の制止が効いたのか、別に何をするでもなく枕元に座り込んでいる。)
日向:起きないなら起きないで…早退扱いになるから別に大丈夫ですよ。でも……優しいですね。次の時限に遅れることを心配してくれたんですよね?
(仔猫の頭を撫でる)
リエル:……なーう。
(起きるそぶりが無いと分かり、諦めて枕元に丸まっている)
日向:っと…そういえばお腹空きません?もう昼ですけど…
リエル:み?なーう!
(空腹を感じていたのか、嬉しそうに頭をすり寄せた)
日向:そもそも何を食べるんでしょうか。や…飲む、なのですか?
…下手に食べさせて具合が悪くなってもあれなので…牛乳で良いですかね。(この姿で具合が悪くなってしまうと、さすがの私でも手の打ちようがありませんからね)
リエル:……みゃーう!
日向:…どうぞ。(果たしてこれで栄養は足りるのでしょうか?早く元の姿に戻っていただきたいものです、色々な意味で)
リエル:みっ…みっ…
………なーう…
(飲み干した後にそのまま寝てしまう)
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。