この子猫の子?(1)

リエル:………ふぁ…ねむーい。徹夜しちゃった。(マンガ、読み出すと止まらない……)


日向:む………リエル君、今なんと?私の聞き違いでなければ"徹夜"と聴こえたのですが。


リエル:………うん。気づいたら朝だったの。すっごく眠いんだ……


(大あくびをするリエルの頭に、鋭い手刀を放った日向。怒っているようだ)


リエル:はわ…あのね、手厳しい…(せんせーのおげんこ、いつもちょっと痛い……)


日向:徹夜なんかするからでしょう?そもそもそんな状態で授業受ける気ですか?せっかく勉強しても身に付かないじゃないですか……!


リエル:うー……今日は国語だしだいじょーぶ!


日向:そういう問題じゃありません。授業は一限だけじゃないでしょう?


(頭を小突く)


リエル:………逃げるが勝ち!(せんせーは怒ってもあんまり、追いかけてこないから)


日向:あっ…待ちなさい!

全く…相変わらず逃げ足だけは速い…。とはいえ予鈴が鳴ったのでここまで、ですか…


<3限目間際>

リエル:………ヤバい、早く着替えないと間に合わないや……


………………?!(こ、転んじゃった…)


<体育館にて>


イド:……リエルは何処だ?ジェサイア先生から聞かれたってことは…医務室にゃ居ねーんだろうけど…


…なあ、ビリー。リエル知らねーか?


ビリー:え?さっき更衣室で着替えてたけど…。やや遅れぎみだったから他に人も居なかったし…それがどうかした?



イド:や、んでもねえ。さんきゅ。

(あの馬鹿…何やってんだ?とりあえず更衣室から捜すか…)


<その頃、リエルは……>


(服の中で何かが暴れている)


リエル:……にーっ?

………みゃーう!


(やっと外を覗けたようだ)


イド:おーい!居るのか?リエル…!?


(部屋に踏み込んだイドの目の前には、リエルの服に埋もれて鳴いている仔猫が居た。白い毛並みに緑色の瞳だ。)


リエル:………………なーう。


(恐る恐る指を突き出したイドに頬を擦り寄せたリエル。相方だと分かると飛び付いて肩に乗っかった)


イド:おま…リエル…なのか……?(どことなく雰囲気は似てるけど……確証が持てない…)


リエル:……みゃう!


(自らの名前を呼ばれて嬉しそうだ)


イド:(何だろう、理解が追い付かなくて目眩がする…。と、とりあえずリエルは病欠にしてもらおう…)


(仔猫を肩から下ろす)


ちょっと待っててくれるか?授業フケてくるから……な?外出ちゃダメだからな?


リエル:……………にゃーん?


(1人残されたリエルはのんびり毛繕いを始めた)


イド:ジェサイア先生……すまない、リエルは更衣室に居たんだけど具合が悪いみたいだ…俺もちょっと目眩がするから休む。


ジェサイア:おう、分かった。付き添いは要らないのか?両方具合悪いんだろ?


イド:…いえ、大丈夫っす。近いんで。

じゃあ、俺はこれで…


ジェサイア:…一応、ヒュウガに言っといてやるか……。(いくら双子で担ぎ慣れてるっても、自分の調子が悪いんじゃ……)


(イドはふらつきながら更衣室に戻る)


イド:……リエル?行こうか。うまく抜けられたぜ。(とにかく、リエルの姿を隠さないと……)


リエル:……なーう。


(大人しく肩に乗っかった)


イド:…っと…服忘れたらやべーな。不審がられるし何より、もしかしなくても真っ裸だろうからな。


リエル:……!ふしゃー!


(扉に向かって威嚇するリエル。誰かの気配を感じたようだ)


イド:……?(こんな時間に誰か来たのか?)


日向:イド?リエル?居るんですか?二人とも具合が悪いと伺ったのですが………


リエル:……みゃーう!


(言葉を遮るような勢いで先生に飛び付いた)


イド:ばっ…馬鹿!その姿でむやみに他人にとびつ………?あ…ああ、先生か。


日向:え!?な…何ですかこれは!?こ…仔猫?(どうして、こんな所に……)


イド:先生……落ち着いて聞いてほしい…

その…仔猫。リエルかも知れねえんだ。


日向:……あの。熱、あるんですか?


(にわかに信じがたい話を聞き、イドの容態を確かめようと額に触れた)


イド:目眩はするが、熱はねえよ…


更衣室の戸を開けたらさ、リエルの服の中にこいつが埋もれて鳴いてたんだよ…瞳の色も…ほら、緑色だ。リエルと同じ……。


日向:………と、とりあえず場所を変えましょう。ここじゃ何れ見付かってしまいますし…


イド:そうだな…ちょうど先生のとこに行こうと思ってたんだ。

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