とある1日の授業(5)

日向:ああ、忙しいですもんね…。分かりました。次は社会でしたね。シグルドには言っといてくださいよ?


イド:ん…承知。


リエル:羽根に……襲わ…れる………?


(魘されているらしい…)


日向:……羽根……さっきの事ですか……。

いつか見てみたいですね。ふふ。


リエル:………!?……(夢…か………)


………汗…びっしょり…………。起きよ。


日向:…………おや、寝れないんですか?


リエル:ちょっと、やな夢見ちゃった。


(何故か汗だくのようだ)


日向:そう、ですか。しんどくないなら別にいいんですけど…


リエル:…うん、だいじょぶ…


イド:おーい、元気か?そろそろ戻れるかー?


日向:む。もうそんな時間ですか…くれぐれも気をつけてくださいね?


リエル:うん、ありがと…先生。


イド:(今日はリエルにとって厄日なのか…?次は音楽か…)


<音楽室>


(合唱だがリエルの音程が酷い。一人だけずれている。)


カレルレン:ふむ…音程をよく聞きたまえ。全然合わないではないか。


リエル:あのね……音程全然わからないの…


カレルレン:音痴か…それも、致命的な。


(あまりに酷いので怒りを通り越し呆れている)


イド:…結局合わなかったな。次理科だが…寝そうだよな…


リエル:…………天体…嫌い……

(面白くないから科学がいいな…)


イド:実験とか喜んでするけどその他の暗記は微妙だよな…未だに星の名前は一致しねーの。


(船をこいでいるようだったが寝てしまった)


イド:……あーあ、寝ちまった。板書一本だからバレずに終わりそうな。


(起きる気配がないまま授業終了)


イド:……マジかー。(一応起こすか。)

ほら、次の授業始まるぞ。起きろ。


リエル:ふにゃ…?あれ…放課後?


イド:まだあと1時限残ってら。英語だぞ。


(無言でもう一度突っ伏した)


イド:ちょ…起きろ。今日単語テストだぞ。それだけ受けろって。


リエル:え。どうしよう、わすれてた…


(あわてて教科書を捲る……)


イド:(あー。何だろう、また補講の香りが…)


リエル:はわわ…範囲忘れた……


(そのまま授業が始まった)


イド:…また鉛筆を転がし始めたな……

はぁ、付き合うか…補講。(どうやって教えるかな……?)


(書き終わったのか寝ている)


イド:…よく見たら選択問題ねーな。当たり前か?え。選択問題ねーって事は…白紙?


(授業終了)


リエル:あのね、行こ!


イド:ほいほい…先生、補講しにきたぜ…


シグルド:あ、良かった…すっぽかされなくて。今日の授業来なかったので心配しましたよ。(とうとうボイコットに発展するかと…)


イド:すまねぇ…シグルド先生。体育と家庭科で踏んだり蹴ったりだったからな…マトモに授業受ける体調ではなかったのさ。


シグルド:そうでしたか…なるべく早く終われればいいんですが。


イド:確かに…(多少昨日勉強したからましだと思うが…)


シグルド:とりあえず…このプリントを解いてください。改めて実力を把握したいので。ついでにイド君もどうですか?


イド:あ…ああ…じゃあ解くか…(俺も得意とは言い難いから付き合おう…)


リエル:リエル:ふぁ…ねみゅい…


シグルド:終わりましたか?見せてくださいな。


(眠そうなリエルを見ながらプリントの採点をしている)


イド:…(やべえ…所々わからん。前のは丸暗記で済んだからな…)出来たぜ、先生。


シグルド:(ふむ……。お?……あれ?どうして………むむむ…)


結果を発表します。

リエル君62点、イド君58点。


どうしてこうなったんですか…?


イド:え、俺の方が下?


リエル:わーい、イドに勝った!


シグルド:前のテストから1日しか経ってないのに…やっぱり前、ふざけてたんじゃ…。

しかも前回満点取れてたイド君が点数がた落ちなのも不思議なんですが。


イド:ま…マジかー…。やっぱり丸暗記だから身に付いてなかったのか。道理で昨日リエルと解き直して教えられなかった訳だ…


リエル:あのね、ふざけてない。頑張った!

(主にイドがだけど)


シグルド:ふむ…家で勉強し直してたんですか。よくやる気になってくれましたね?


イド:読みやすい伝記漫画を探しに図書館に行っただけさ。面白いことは進んでやるからな、リエルは。


リエル:あのね、面白かった!


シグルド:なるほど…上手く興味を持たせたらここまで…(さすがは兄弟。分かってますね……)


イド:記憶力は悪くないからな…以外と。発揮されないだけで。


リエル:あのね……以外ってどういう意味?


イド:そのままの意味だよ。


シグルド:ふむ…これくらいなら手短に済みそうで何よりです。


(30分経過)


では、今日はお疲れ様でした。終わりです。


リエル:へちゃー…つかれた。


イド:(俺も本、読み直そうかな…せっかく借りたし。いまいち身に入らない。)


ありがとう、先生。じゃあリエル、帰ろうぜ。


リエル:あのね、またね先生!


シグルド:ええ、 また今度。

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