とある1日の授業(2)

(モデルとにらめっこしながらスケッチしているが…?)


リエル:…あのね、エイリアン。


(そもそもモデルは犬である)


イド:………!?(待て待て犬が何でそうなる!や……バランスの問題か?四足で…胴の端に顔?があって………)


(色を塗っているがムラが酷い。混ざりきってないせいだ)


……(茶色と白のまだらだ…所々真っ白なのは…うん、混ざってねーな。)


リエル:うーん……変な色、ぶちわんこ?


イド:……ふぅ、とりあえずリカバリーできなかったようだな。(柴犬がモデルだったのに全くわからん……!)


リエル:(昼休み……イドのとこ行こ……)


イド:ん?どうした?


リエル:あのね、明日放課後付き合って?


イド:ほ…放課後?別に構わんが…


リエル:あのね、社会の補講なの。シグルドせんせーに言われた。


イド:あー…さっきの呼び出しって?


リエル:うん……おこられた。


イド:おう。分かった。(なんとなく予想はついてたが、相当酷かったのか…あのシグルド先生を怒らせるなんてな)


(まだ不機嫌そうだが席に戻った)


イド:次は…げっ。道徳!?

俺がやべえぞ………!(クソみてぇな授業なんざ受けてられっか!)


リエル:あ。逃げた。…せんせーがんばー。


(何故か笑顔だ)


イド:……しまった…リエルを観察してたら逃げ遅れた…


(手慣れた様子で厠に潜むが、とっくに授業は始まっている)


日向:…………はぁ。何処ですかね…?


イド:……参ったな…あんまり彷徨くと見付かるが長居はできん。いずれ潰しに来るだろう…


日向:更衣室と屋上は白。各地のお手洗いですかね…入れ違いになると厄介ですけど。


イド:……賭けだな。先生のことだ、屋上はもう見たろ。


(意を決して出ていったが……?)


日向:あ…………!見つけましたよ!待ちなさい!!


イド:げっ………やっべえ!!(鉢合わせじゃねーか…!)


日向:ちょっと…無駄な抵抗は……!止めなさーい!


(走るスピードは先生の方が早い。あっという間に追い付いた)


イド:……くっそ…今日は……逃げ遅れた……!うぉ…っ!?


(足がもつれて派手に転んでしまった)


日向:はぁ…はぁ……捕まえ…ましたよ…?


イド:うう……ミスった……


日向:…15分。早かったですねぇ…


イド:……そりゃ…早すぎた……しょうがねえ…………戻るか…。


日向:しかし…珍しいですね?あんな近距離に隠れるなんて。イド君らしくもない。


イド:はぁ……ま、ちょっとうっかりしてただけだ……


日向:イド君がうっかりすること、あるんですね…(普段からしっかりしてるのに……)


イド:ちょっと…な。リエルが社会で補講受けるって言われてさ。呆れてたんだよ…


日向:え。ほ…補講?(シグルド、そんなに教え方下手でしたっけ…)


イド:今日の小テストの出来が壊滅的だったみたいだ。時限終わってすぐ呼び出し食らってたし。


日向:それは実に興味深い。シグルドに後で聞いてみましょうかね…。


イド:お陰で俺も補講だ…付き合ってと言われちゃ蹴れねーし、サボられても困る。


日向:あらら…ご苦労様ですね。シグルドは知ってるんですかね、イド君が出ること。


イド:……さあ、どうなんだろ。そこまでリエルは自由じゃないと…思うけどな。……っと、着いちまった。またな、先生。


日向:ええ、ではまた。


リエル:あのね、戻るの早い。すっとこどっこい。


イド:どういう意味だそれは……


リエル:あのね、そのまま!


イド:……はぁ。


(そのまま突っ伏して寝てしまった)


スタイン:もしもし?遅刻の上に寝倒すんですか?後20分くらい起きてなさい。


(教科書で頭を叩くがイドは全く動じないようだ)


リエル:あのね、先生…多分起きない。一度寝るとほんとねぼすけ。


スタイン:はぁ。……しょうがないですね。では続きを……


イド:……う。ガッツリ寝ちまった…

今…何時だ…………?(疲れてたもんな…)


リエル:あのね、もうすぐ最終時限。


イド:(……思ったより早かったか。次は…数学、か…はぁ。)

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