第14話
生まれたばかりの子猫を育てたことがなかったので、あらゆる伝を使って情報収集をしました。
因みに、未だニート生活をしています。
その傍らで、興味のある資格を片っ端から受けてみた。
並列思考と暗記のお陰で、筆記試験で落ちることがなかったのが救いである。
虚弱体質な
その間、ハローワークに行って就活はしたよ!
そうしないと、失業手当貰えなくなるしね。
ハローワークの担当者が言っていた言葉で、「絶対一月に一社は面接に行って下さいね」だって。
そうしないと、就職する意思なしと判断されて失業手当を受給することが出来なくなるんだと。
それを言って良いんだろうか? なんて、申請した時に思った出来事だ。
事務で雇ってくれそうな会社に絞って面接に行ったけど、行った会社自体が胡散臭くて『あれは無い』と強く思ったくらいだ。
失業手当は半年間の支給となる。
それが切れたら貯金を切り崩して生活するしかないのだが、悲しいかな貯金はそんなにない。
保険料や年金、住民税など払えば精々3ヶ月生活できるかどうかだ。
「副職も視野に入れて考えないと駄目だな」
給与の安定した場所に就職するのは決定事項だが、副職もやらないとこのご時世何があるか分からない。
明日には、ホームレスになってしまう可能性もあるのだ。
「おーちゃんには、不自由のない生活を送らせてあげたい。私、頑張るよ」
膝の上を陣取り寝ている
希望する職種は違うが、猫の同伴出勤が可能な求人が見つかった。
児童福祉施設の児童指導員の募集で、福利厚生も良いし、自宅より近くペット同伴出勤OKという異例な会社だ。
早速、掲載されている電話番号に電話をかけて面接の申込みをした。
面接は、先方の都合で翌日にして欲しいと言われ二つ返事で了承した。
応募を締め切るタイミングで、私から連絡が掛かってきたとのことらしく、それを聞いて私は心底ラッキーと思った。
他の会社なら多分、面接する前にお断りされていたと思う。
私は、明日の面接のために弟に電話した。
「もしもし、
「良いけど、急な頼み事は止めてくれよ。俺にも予定があるんだから」
ブツブツと文句を言っているが、声のトーンがいつもよりも上がっているぞ、愚弟よ。
「おーちゃん、同伴出勤可能な会社の求人を見つけて応募したら明日しか空いてないって言われてさ。今後は、事前に連絡するように努力するから許して」
「まあ、良いけど。鍵は、いつものところ?」
「うん。ドアの内ポストに吊り下げてあるから使って良いよ」
「スペアキー預けてくれれば、いつでも面倒見れるぜ?」
「嫌だよ。人のパーソナルスペースに土足で入ってくるな」
スペアキーを渡したら、
そんなことは断固拒否したい案件だ。
「そうそう、スペアキー作ったら社会的に殺す」
「……作らねーよ」
不自然な間があったが、明日留守で家を空けるため、
「くれぐれも、おーちゃんにおねだりされたからってチュールを与えたりすんなよ。やったら、お前の黒歴史を友人にリークしてやる」
「しねーよ!!」
若干声が震えているので、釘はさせただろう。
「じゃあ、明日宜しくね」
それだけ言って、通話を切った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます