第7話
いくつもの複数アカウントを持っている上に、
友人達とやらに、ツ●ッターのDMを使ってコンタクトを取った。
最初は、出会い系サイトのサクラをしている気分で他愛もない話から直接会うまで話を持って行くのは簡単だった。
万が一、友人とやらに私の顔がバレるのは得策ではないので、動画サイトで詐欺メイクテクを覚えてから会うことにした。
その副産物なのか、後天能力に『擬態4』を手に入れた。
メイク前と後の顔は、他人か? って思えるほど違う。
似ていると言われればそれまでかもしれないが、
詐欺メイク術を駆使して、私は清楚系美人に大変身し、例の噂に関与していると思われる友人達を片っ端から会いに行った。
男は鼻の下を伸ばしているし、女は私の顔を見てポカンとした表情をしていた。
噂の張本人が出向いているとは思ってもいなかったようで、23区のそこそこ値の張るスーツに身を包み、左襟に皇居で購入した菊のピンバッチを着けておいた。
「
の台詞と共に集めた情報を提示するだけで、大いにビビッてくれた。
中には自分じゃないと言い張る人もいたが、開示請求を行えば真偽は分かるし、弁護士費用や裁判費用その他諸々を請求すんぞとオブラートに包んで説明すると、あっさりとゲロッてくれました。
勿論、証言の音声は愛用しているICレコーダーで取ってあります。
「これらの証拠が、誰から依頼して行ったのか正直にお話をして下さい。証言して下さるのであれば、あなたに対して訴訟を起こしたりすることはありませんよ」
と諭すように言うと、私の提示する条件を飲んでくれました。
いや~、ここまで事が上手く進むと爽快だね!
相手側からすれば、THE弁護士って感じに見えただろう。
弁護士かと聞かれたりもしたが、ニッコリと笑みを浮かべるだけで肯定も否定もしていないし、勘違い乙と内心ガッツポーズを取った。
色々織り込んだ誓約書に一筆&拇印を貰いました。
公的証書を司法書士に頼んで作って貰うのは、金銭的に避けたいので誓約書が限界だった。
誹謗中傷の証拠も揃ったことだし、有給休暇に入らせて貰う。
引継ぎは、顧客データ管理のために作った自作ソフトの中に入っている。
ソフトに必要なIDと
どうせ見もせずにシュレッダーにかけるか、紛失するに違いない。
退職日までは、パソコンのキャッシュにIDと
退職した翌日からは、
セキュリティーの一環と言い張れば、罪に問われることはないだろう。
有給休暇を取る前日までに、漸く定時で帰れることになった。
有給休暇中は、会社と
流石に裁判ともなれば、弁護士を雇わざる得ないので、法テラスに相談しました。
私の集めた証拠が裁判では有効と判断され、勝ち確定は間違いないそうです。
弁護士からの太鼓判に、その瞬間は人生で一番いい笑顔をしたと思う。
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