第11話

「アイザック、俺はどうしたらいい?」

「告白するしかないでしょ。」


イクリスはその後、例の如くアイザックに相談していた。


しかし、まさか演技に付き合ってくれたジョージがイクリスにそこまで言うとは。


これはもしかしたら本当にジョージはメイ姉さんに惚れたのか、はたまたイクリスを焚き付ける為か、もしくはその両方か。


しかし、こうなってしまえばいくらヘタレなこの馬鹿兄貴も告白するしか道はないだろう。


「しかし、告白したって勝ち目がない!」

勝ち目しかない癖に何を言ってるんだと心の中でツッコむ。


「あのな兄貴、勝ち目があるかどうかとか、うまくいくかどうかなんてどうでもいいだろ。」


「ん?どう言うことだそれは?」


「大事なのは、自分の気持ちを伝えることだろ?

メイ姉さんはエスパーじゃないんだから、ちゃんと自分の伝えたい事は口で話さなきゃ。」


ぶっちゃけこれは俺の経験論である。


メアリーと付き合うべく、俺は最初何とか自分をかっこ良く見せようと頑張るもうまくいかなかった。しかし、ちゃんと言いたいことを口で伝えたら、メアリーも段々と俺に心を開いてくれたのだ。


やはり人間は対話というコミュニケーションを制することが大事なのである。

この兄貴には難しいことかもしれないが、そこはやはりきちんとメイ姉さんにも、そしてジョージさんにも誠意を見せるべきである。


「…。

分かった。俺、明日頑張ってメイに告白してみる。」


そして遂にあの兄貴の口から告白するという言葉が出てきた。


長かった。本当に長かった。

毎年の如くこいつらはよくっつけと思っていたが、ようやくやっとこの日が来るとは。


「ただ、告白と言っても何て言えばいいんだ?そもそも俺は言葉を発することが出来るだろうか?」


それなと俺は思う。


そこなんだよ問題は。


果たしてこの兄貴はしっかりとメイ姉さんと会話出来るかが問題なんだよ。


「よし、兄貴練習しよう。

俺をメイ姉さんだと思って、告白してみてくれ。」


「あ、ああ。ゴホン。

メイ、俺はお前の事が好きだ。」


「何だ、普通に言えるじゃないか。」


少し感心してしまう。


「まあ、何というか、アイザックにはいつもメイの可愛さを語ったりしてるからとても言いやすい。」


「あー、成る程ね。」


つまり、俺では練習相手にならなさそうだ。


そこで俺は急遽メアリーを呼ぶことにした。

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