第3話
何としてでも、18歳になるまでにはイクリスと両想いにならなくては。
しかし、イクリスは誰にでも寡黙で、私は何を頑張ったらいいのか分からない。
そんな時は、イクリスにバレない様アイザックに会いに行く。
「アイザック~!私は一体どうしたらいいの!?
というか、まだイクリスは好きな女性とかいない!?ウカウカしてる間に、ライバルが現れたらどうしよう!?」
私はアイザックに必死に助けを乞う。
「イクリスに好きな人がいなくても、嫌々私と結婚させてしまったらそれはそれで嫌だわ。
どうしよう!?」
「まぁまぁ落ち着いてメイ姉さん、兄貴はまあそういう色恋沙汰に不器用というか、なんていうか…兎に角!メイ姉さんはそんなに心配しなくても大丈夫ですって!」
アイザックはビシッと親指を立ててグッドとしてくれるも、私は未だにイクリスから手応えのいい感じの反応を貰えていないから、やはり焦ってしまう。
「アイザック、イクリスのタイプってやっぱり分からないの?」
「うーん、そうだなぁ…。」
アイザックとしてはメイ姉さんが1番のタイプですよ、と教えてやりたいが、それを教えるのは違う気がする。
かと言って、このまま言わずにいるのもすれ違いが加速してしまうかもしれない。
うぅーんと悩んだ末に、アイザックは口を開く。
「やっぱり男には可愛い笑顔が1番ですよ!
これは共通して言えることです。
泣いて男性の気を引くなんて女性もいるらしいですけど、それより俺はやっぱり笑ってる顔が1番いいと思いますけどね。」
結局俺は無難な回答を言ってしまった。
「それ、前にも聞いたわ。
だから笑顔は絶やさない様にしているのだけれど。」
メイ姉さん的に納得いかなかった様だ。
「なら、メリハリをつけましょうよ。
特に兄貴にだけ特別に笑いかける、みたいな!」
きっとこれは効果絶大なうえ、あの鈍感な兄貴でもメイ姉さんの気持ちに気付いてくれるかもしれない。
「なるほど、他の人と区別して特別感を出す…良さそうね!実践してみるわ!
ありがとうアイザック!」
そう言いながら、笑顔でメイはアイザックの元を離れていった。
「ふぅ、これでさっさとくっついてくれればいいのだけれど。」
そして数日後、メイはまたアイザックの元に訪れていた。
「アイザックの言う通り他の人より多く微笑んだり目を合わせたりしたらね、
何故かイクリスが距離を置き始めちゃって!
私間違ってたのかしら!?嫌われちゃった!」
うぅ、と涙ぐむメイを横目に、アイザックはあの馬鹿兄貴、後で説教してやろうと心に決めた。
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