第6話

ドラゴンとしては小ぶりだったが、解体するとその肉の量は二人分には多すぎた。

サニーはステーキの分をよけて、干し肉を作ろうと下準備を始めた。

レイニーは、持ち帰ったドラゴンの頭を焼き始めた。

「レイニー、本当に食べるのかい?」

「そうよ、サニー。目玉なんてなかなか食べられないわよ」

嬉しそうなレイニーを横目にサニーはやれやれと首を振って、干し肉作りの続きをした。


レイニーは料理が得意ではない。というか、塩を振って焼けばできあがりだと思っていた。

サニーはレイニーの大胆さが気に入っていたが、同じものを食べるのはちょっと遠慮したかった。

「なかなか焼けないわね」

レイニーはそう言いながら、たき火に薪をくべて、ドラゴンの頭を焼き続けている。

サニーはこっそりと解毒の魔法を、ドラゴンの焼かれている頭にかけた。


「サニーは順調そうね」

「ああ」

そう言いながらサニーは干し肉と、スモーク肉という長期保存に適した加工をテキパキとこなしていく。そしてサニーはステーキを焼いた。

しばらくすると二人とも作業は完了し、肉汁のしたたるドラゴンの頭とステーキが食卓に並んだ。


「レイニー、料理は僕がするよ」

白目をむいたドラゴンの頭をみながらサニーは言った。

レイニーはわかったわ、と言ってドラゴンの頭にフォークを刺した。

二人の新婚生活は始まったばかり。

これからうまくいくのかは、神様しか知らない。

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花嫁レベルマイナス99ーご馳走を作ったら何故か毒薬になりますー 茜カナコ @akanekanako

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