第25話

「今日は遅いから、また明日にしよう」

みのりはレミとサブリナとゴブにそう言うと、コックコートを脱いだ。

「それじゃあ、ごきげんよう」

レミはお辞儀をした。

「ありがとうございました」

サブリナもあたふたしながらお辞儀をした。

みのりは2人を送り出すと、自分も紅茶を飲みながら思案した。

(王様と王妃様の結婚記念日のケーキか。)

みのりは生チョコレートを一口食べてため息をついた。

(大きなザッハトルテにイチゴを敷き詰めて、2人の像をのせるのはどうかな?)

我ながら良いアイディアに思えた。

それにしても、レミの焼き餅焼きには内心にやけてしまう。

(レミはかわいいなぁ。)

みのりは紅茶を一口飲んだ。

(サブリナの一生懸命さも好感がもてるけど、レミのわがままも可愛い)

みのりはもう一口生チョコレートを食べると、残りを冷蔵庫にしまった。

そして、メモ帳を取り出し、ザッハトルテの材料とレイアウトのイメージを書き始めた。

夜はふけていった。

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