第26話

朝だ。

よく晴れていた。

これならマーケットで十分素材の品定めができる。

レミとサブリナも朝早くから付き合ってくれる約束だったし。

みのりはいつものように朝食を作り始めた。


今日はパンケーキだった。蜂蜜をたっぷりかけて、ブラックコーヒーと一緒に味わった。

琥珀色の蜂蜜が美しく、味も良かった。こんなにおいしくできたのなら、レミ達の分も作れば良かったかなと、少し後悔した頃、ドアを叩く音が響いた。


「コンコン」

「はーい」

みのりがドアを開けるとレミとサブリナが立っていた。


「いらっしゃい、早い時間にわるかったね」

「いいえ、大丈夫」

「はい、大丈夫です」


レミとサブリナはそう答えると、みのりに言った。

「マーケットは今日は人手がすごそうですよ」

「それじゃ行こうか」


みのりは大きなバッグをもって、レミとサブリナと一緒にマーケットに向かった。

マーケットにはすでに人があふれかえっていた。

みのりはカカオに似た果実を大量に、また、アプリコットに似た果実と、イチゴに似た果実とフランボワーズに似た果実を選んだ。


「みのりさん、これも美味しそうです」

サブリナはなしに似た果実を手にしていた。

「みのり、こっちも美味しそう」


レミはラズベリーに似た実を選んでいた。

みのりは2人が持ってきた果実も買うことにした。

お会計はいつも通り、レミの一言で王宮もちとなった。

「みのりさん、どんなケーキを作るんですか?」


サブリナが尋ねるとみのりはにっこりして、答えた。

「後のお楽しみだよ」

「そうね、その方が楽しみだわ」

レミはみのりの笑顔に笑顔で答えた。


後の買い物は、普通の雑貨店で用が済んだ。

みのりの大きなバックは中身があふれ出しそうなほどパンパンになっていた。

「それじゃ、そろそろかえろうか」

みのりがそう言うと、レミとサブリナも頷いた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る