第23話

チョコレート作りは本番を迎えた。

大理石のテーブルでテンパリングをすると、チョコレート生地は魔法のように輝き始める。みのりは何度もテンパリングを繰り返すと、チョコレートをバットに入れた。

「今日は生チョコレートを作ろう」

バットにクッキングシートをおいた。

レミはみのりに尋ねる。

「私にもできることないかしら?」

「残念だけど、レミに頼めることはないかな。弟子入りしたのはサブリナだしね」

「はーい」

レミはほっぺをぷくっと膨らませて頷いた。

「サブリナ、鍋に生クリームを入れて沸騰直前まで暖めて、バットに入れて、チョコレートがクリーム状になる生でよくかき混ぜて。」

「はい」

「これで一時間冷蔵庫で冷やせばできあがりだ」

「簡単ね」

レミがそう言うとみのりは答えた。

「ゴブが手伝ってくれたからこんなに簡単にできたんだぞ。えらいぞ、ゴブ」

ゴブは照れて頭をかいた。

「サブリナは、へらの使い方がもう少し荒っぽい。もっと丁寧にすりつぶすように」

「はい、みのり先生」

サブリナは真剣な顔で頷いた。

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