第22話
ゴブがチョコレートを練り上げる間、サブリナとレミとみのりは話をしていた。
「サブリナはどうして弟子入りをしたんだ?」
みのりはサブリナに尋ねた。
「お母様にチョコレートを作ってあげたくて」
「お母様のホームシックは大丈夫なの?」
レミが口を挟んだ。
サブリナは困ったように笑ってからうなずいた。
「はい、みのりさんのチョコレートを食べてからずいぶん良くなりました」
「でも、庶民には高すぎて・・・・・・」
サブリナの家は大きかった。ゴブという召使いもいる。庶民ではないと思ったがみのりは黙って聞いていた。
「チョコレート一粒は宝石一粒と同じ。毎日は買ってあげられません。ですから、私が創れるようになれば問題は解決するかなって思って」
サブリナは目を輝かせて、みのりに向かって微笑んだ。
あまりにも純粋な瞳に、みのりはドキドキした。
レミはそれを見逃さず、みのりのうでに、自分の腕を絡ませた。
「みのりは私のだからね。そこは誤解しちゃだめよ、サブリナ」
レミのわがままは、可愛らしい。みのりは照れてしまった。
そうこうしているあいだに、ゴブが言った。
「チョコレートがこね終わったゴブ」
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