第20話

「戻りました」

サブリナが息を切らせてみのりの家へ戻って来た。

「ゴブ、こちらへ」

ゴブ、と呼ばれたドワーフは使い込まれたコックコートを着ていた。

「ゴブは当家の使用人ですから遠慮なさらずに命令してください」

「よろしく、ゴブ」

ゴブはお辞儀をした。

「早速だけど、このカカオの実を炒ってから砕いて粉にしてもらえるかな」

「分かった」

そういうとゴブは慣れた手つきでカカオの実を入りはじめた。

パチパチという音と香ばしい香りが漂って来る。

「次に豆を潰して液状になるまで」

「分かった、ゴブ」

「これでチョコラルト半日以上かかる作業が1時間で終わってしまった。

レミが覗き込んできた。

「美味しそう舐めても良い?」

みのりは苦笑しながらスプーンをレミとサブリナに渡した。

「いただきます」

「苦い!」

2人とも顔をしかめている。

「ここに砂糖と粉ミルクとカカオバターを入れて混ぜるとチョコレートになるんだよ」

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