第12話
街を歩いていると、豪邸があった。
庭から少女の楽しそうな声が聞こえる。
聞き覚えのある声だ。
「サブリナ?」
玄関から声をかけたが聞こえなかったらしい。
年齢から言って母親らしき人と一緒にいる。
「サブリナ、思い出した!」
レミが言った。
「魔法の使えない貴族サブリナ嬢、昔会っていたわ」
「お母様が人間で、酷いホームシックって話だったわ」
レミは得意げに続けた。
「だからみのりのチョコレートをあんなに欲しがったのね」
みのりはレミの話を聞いてかわいそうに思った。
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