第3話
どうやら俺が元の世界に戻るには、このお嬢様にチョコレートを作ってあげないといけないと言うことらしい。
森の中の一軒家に、お菓子工房が用意されていた。
一体いくらかけて作ったのだろうと思いながら俺はお嬢様の案内に従って、工房の中へと入って行った。
工房のテーブルは大理石。
キッチン用品も充実している。
カカオ豆らしき物と砂糖もたっぷりと用意してあった。
俺は早速カカオ豆を炒めて、皮を剥く。
そしてただひたすら、豆を臼で潰した。
チョコレートって仕入れたものから作るんじゃないの?と言う疑問は置いておいて。
俺は自分のプロ意識にかけて、とろけるチョコレートを作っていった。
その時俺はまだ気づいていなかった。チョコレートには中毒性があることを。
冷蔵庫の中を見ると、パフェが作れそうだった。
お嬢様にチョコレートパフェ。これほど似合う物もないと俺は思ってとりあえずそれを作ってお嬢様に渡した。
「はい、どうぞ」
お嬢様は目を輝かせて、パフェを一口頬張った。
「甘い!美味しい!何これ!」
それが地獄のドアを開くことになるとは、つゆほども考えずにいた俺は馬鹿だった。
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