ミミちゃん またね
ミミちゃんは2021年5月6日に膀胱の扁平上皮癌で、やすらぎさんのおかあさんの膝の上で息を引き取りました。
苦しい息の下で、お母さんがリハビリから帰ってくるのを待っていたそうです。
動物は空に旅立つ時、飼い主さんの病気や不運を持って行ってくれるという人がいます。
やすらぎさんも、ミミちゃんがおかあさんの身代わりになってくれたと思わずにはいられませんでした。そして、姿のなくなった今は、おかあさんを守ってくれていると信じています。
去年の11月、おかあさんは脳梗塞で倒れ、入院しました。
当初は快復しても、もう一人暮らしはできないとの診断でした。
アパートにひとり残されたミミちゃんは、毎日毎晩おかあさんを鳴きながら探し続けました。
そんなミミちゃんの世話をしながら、やすらぎさんがアパートの整理していた時、おかあさんが撮ったミミちゃんのたくさんの写真が出てきました。
やすらぎさんは、その写真を病院のおかあさんに届けました。
おかあさんは、ミミちゃんの写真を見た途端、目に涙を浮かべました。
それから、おかあさんはミミちゃんに会いたい一心でリハビリに励み、病院の先生が舌を巻くほど、快復していきました。
奇跡とも言える快復力でおかあさんは退院し、またミミちゃんの元に戻ってきました。
でも、それと入れ替わるように、今度はミミちゃんが体調を崩してしまったのです。
それまでは、病気一つしなかったミミちゃんでした。それが、ずっと一緒だったおかあさんが急に居なくなり独りぼっちになったことが大きなストレスとなって、病気を誘因したのかもしれません。
猫も犬も、人間より早く年を取ります。人間には数週間のことでも、彼らにとっては何ヶ月にも渡ります。
ミミちゃんも、きっと寂しくて悲しくて仕方なかったのでしょう。
でも、おかあさんはミミちゃんのおかげで帰ってきました。
ミミちゃんも、おかあさんのお膝で、おかあさんに見守れながら旅立つことができました。
ありがとう、ミミちゃん。
もう苦しいことも痛いこともなくなったから、どうぞ、ゆっくり休んでください。
ゆっくり休んだ後は、また毛皮を着替えて、最愛のおかあさんに会いにきてくださいね。
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