ミケちゃん、おはよう！〜野良猫だったミケちゃんとやすらぎさんの出会いのお話

チャコマロンちゃん

　やすらぎさんの自宅マンションには、チャコマロンちゃんという先住猫がいました。

　猫好きなやすらぎさん夫妻がタウン誌の里親募集を見て、子猫の時に譲り受けた長毛種（ロングヘア）の女の子です。

　名前を「チャコ」にするか「マロン」にするかで決めあぐねて、結局両方とも残して「チャコマロン」と命名したそうです。

　チャコマロンちゃんは2005年生まれで、おっとりして繊細でナイーブ。2015年の時点で既（すで）に10歳。人間の年齢に置き換えれば56歳でした。

　とても内気で、一番の仲良しは大きな狐のぬいぐるみ。

　おとなりの猫のきなこちゃんがベランダに見えるだけで、ぬいぐるみの後ろに隠れてしまうほどの恥ずかしがり屋さんです。もしかしたら、自分は猫ではなく、ぬいぐるみだと思っているのかも知れません。

　そんなおとなしいチャコマロンちゃんと外猫育ちの活発な若いミケちゃんとの同居は、猫の相性から考えても、かなり難しそうです。

　やすらぎさん夫妻は仕事で日中は留守にしていますから、いくら気を付けていても二匹の間でどんなアクシデントが起きるかわかりません。

　安易に同居させて、どちらかが、あるいは二匹とも犠牲になる可能性はかなり高いのです。

　やすらぎさんは、どうすればミケちゃんとチャコマロンちゃん、どちらも幸せになれるのか思いわずらう日々でした。

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　今年2021年2月、チャコマロンちゃんは16歳を迎えました。

　人間だと80歳。腎臓機能が低下して初めてお薬も飲むようになりました。

　でも、美貌は健在。毛並みも艶々（つやつや）、相変わらずの美猫さんです。