第4話 ダークサイド・モンスター

平和な楽園のようで実は善と悪が存在するこの世界。


しかも悪の力の方が善よりも優っているという事実。


悪魔たちは雲の上から地上を見つめダークサイドに落ちそうな人間を見逃さない。


ある会社員、まだ40代前半の独身でリストラされたばかり。


彼の心は真っ黒であった。幾ら努力しても報われない。


いっそ犯罪でも起こしてしまうか……。


彼の両目は暗く光り始める。


悪魔の手先は麗しいOLの格好をして彼の前に現れる。


会社員の男は彼女を見て、なんて美しいんだと理性を失う。


彼はOLの手を掴みビルの間の人目のつかない所に連れ込む。


彼はOLの前にひざまずく。


胸の谷間と美脚がそびえ立っていた。


OLは女神の微笑みをたたえる


その時OLは後ろにジャンプして太腿ふとももからライトセイバーを抜き出す。


会社員の男は何が起こったのか分からない。


ライトセイバーを持ったセーラー服を着た女の子が彼の頭上を乗り越えてOLに向かって攻撃していく。


ダークサイドに抵抗するライトサイドがレジスタンスをしている。


ビルの狭間を飛び出て表に出て2人はライトセイバーで戦い続ける。


2人のライトセイバーが当たるたび低音が響く。


会社員の男は目を見開き、呆然としている。


OLは空の彼方へと消えていく。


セーラー服の少女は「ちくしょう」と地団駄じだんだを踏む。


ライトセイバーを収め、会社員の男の前に来る。すこぶる美少女である。


美少女は太腿にライトセイバーを戻す。


「おじさん、変な気起こさないでよ、あいつ化け物だよ。もう少しでダークサイドに落とされる所だったんだから」


美少女は汗を拭い、「大丈夫?理性取り戻した?」と言い、男の顔を覗きこむ。


男は少し後ずさり、喉をごくんと鳴らし首を盾に振る。凄く美しい眼差まなざし。


「まったく忙しいなあ〜」


美少女は凄いスピードで彼方へと去っていく。


会社員の男はハッと我に返り、ああ、仕事クビになってやけ起こしてたんだっけ。


凄かったなあ、あれが噂のライトサイドの女戦士か。あのOLが悪だったわけか。危ない、危ない。


人通りの少ない街並みに2つの太陽が沈んでいく。


2021(R3)3/14(日)













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