第31話 まだ心の炒飯を培養できてなかったみたい。
三輪光はイヤホンを鞄から取り出し、それを耳に装着する。
今はひ平本君の鞄に忍び込ませたそこそこ良いマイクだけど、付き合い始めたらちゃんとスマートフォンにそういうアプリ入れるんだ♪
『今日も銀将、繁盛してんなあ。』
確かに、人がすっごく多いもん。
『餃子も確かにめちゃくちゃ美味しいんだけど炒飯にラーメンスープかけて食べるのもめっちゃ旨いんだよな。知らない人がいたら是非試してみてほしい。』
なるほど!そんな食べ方があるんだ…試そう♪
『それにしてもなあ…カウンターは今空いてないからテーブル席で良いですかって聞かれて「はい。」って答えちゃったけど、寂しいくね?この4人掛けくらいのテーブルで一人って。』
え!?それなら私が一緒に座るのに!何で店員さんは一緒に案内してくれないんだろう?あ、そっか。付き添いって認識されてないかだ……これは早急に平本君の彼女になる必要があるね。
努力しないと……
『本来は高瀬と一緒に行くはずだったんだけどなぁ。家の用事なら仕方ないかぁ。』
元々一人で行く予定じゃなくて、高瀬くんと行く予定だったんだ。一緒に行く人がいなくて寂しいなら私を呼んでくれれば良かったのに。それならいつでも行ってあげて尽くしてあげるのにな。明日ちゃんと伝えてあげよう♪
高瀬くんは家の用事だったのか……
何だろう、後々平本君に影響を及ぼす可能性は無きにしも非ずだから後で一応調べておこう。
『はい!こちら焼き飯セットになりまーす!』
『あざーす。』
平本君のとこはもう届いたのか…私は急いで食べないと!いくら急いでても残すのはダメ!ヨシ!頑張らないと…
それから3分ほどすると彼女の分も届いた。
聞いた感じ、平本君はお腹が空いてるからかかなりのスピードで食べていってるそう。こんなんじゃ間に合わない!どうしよう!
噛む時間ってもしかして無駄なんじゃ……
【結果】
間に合った。
***
ここはベタにボディータッチとか……?
いや、男が男にボディータッチって誰得なんだ……
けど体触ったりするのって同性だったら普通だよね……
今考えてみると、僕から平本君にボディータッチしたことってないなぁ。
いつも平本君からしてくれた。肩を寄せたり、手を引いてくれたり……
僕から積極的にいくのに最適な方法なんじゃ……
男にベタベタされても気持ち悪いかもしれないけど、ここは攻撃に出ないと先輩に負けちゃう。
ここは男らしく人肌脱いでいこう。
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