家族愛が重い・・・お母様は最強デス!

また暫く時間が流れて─


「お兄様ー!」


私は1つ年上の兄、レインにトコトコっと近付き抱き付く。


「おっと・・走ったら危ないよシオン」


シオンの体重を支えるのに危なかったレインが優しく抱き締める。


「ごめんなさい。お兄様・・・」


私はシュンっと俯くとレインは慌ててシオンの頭を撫でながら言う


「怒って無いから泣かないでシオン。シオンと居られて嬉しいからね」


レインは嬉しそうにはにかみながらに言う。シオンも、もうすぐ5歳になる。これまでにシオンの奇行は、公爵家では知られており、本人は隠しているつもりらしいので、気付いていないフリをするのが暗黙の了解となっていたのはシオンの預かり知らぬ事であった。そして、シオンはシオンで家族の関係を良好なものにするために色々と行動していた。


例として、父や母、兄の誕生日に四葉のクローバー(この世界にもあった)を探してプレゼントしたり、綺麗な石を探して渡したり、一緒にお風呂に入って背中を流したりと家族のために行動した。


ただし、四葉のクローバーが断崖絶壁に生えているのを採って来たり、綺麗な石がダイヤモンドの原石で、その大きさが国宝級クラスの価値があったりしなければ可愛い物だったのだけれど・・・

余談だが、シオンと一緒にお風呂入る券をプレゼントした事により父と兄の間で本気の喧嘩があった事は秘密である。(笑)


「シオン!ここに居たのか」


ちょうど父カインがやって来た。


「お父様。なにかようでちゅか?」


・・・噛んだ///


プルプル震えるシオンを見て悶える父と兄

(なに!この可愛い生物は!?)


「こほん、レインよ。いくら兄とはいえレディにいつまでも抱き付くのは良く無いぞ!離れなさい」


まともな事を言った父に対してレインはよりぎゅうーと抱き締めるのだった。


「父上、シオンは私の大切な妹です。一緒にいる事はおかしくありませんし、抱き付くのも家族だから問題ありません」


おおぉ、兄よいつの間にこんな難しい事を言える様になったのだ!?レインに対して内心驚いているシオン。実はレインが大人びていったのは理由があった。そうシオンである。

1つ年下の妹が度に、普通に成長していたレインを驚かせた。そして自分も負けてられないと決意した事により、急激に知識や剣術など吸収していった。しかも、ときどき間の抜けたシオンの行動により、自分がしっかりして妹を護らなければ!と使命感に燃えた為に今では誰もが長男のレインが次期当主に相応しく、天才と噂した。


・・・その裏ではトラブルメーカーの妹を護る為にしっかりと頑張ろうとしたシスコン魂でこうなったのは秘密である。(本人も気付いてないので)



「私はシオンに用があるのだ。はーなーれーなーさーい!」


ぎぎぎー!


兄を引き離そうとする父に兄は抵抗するが、私は固まってしまった。だって目が合ってしまったから・・・



「ねぇ、ナニヲシテイルノカシラ?」


とても、そう地獄の底から聞こえてくるような、とても低い声でが問い掛けてきたのだ。ブルブルッ!


「「はひ、なにもしてまへん!」」


3人ともシャキッとしてお母様に敬礼するのでした。


「さて、明日は今年5歳になる子供達の判別の儀式の日です。今日は早く休んで、朝一で王都の教会へ出掛けます。良いですね?」


「「yes!!My Mother!!!!」」


判別の儀式とは子供達の魔法属性を調べる日です。光(ひかり)さんがいるから私は光属性があるのよね~(悪役令嬢が光属性って何だかなー)後は、攻撃魔法重視の火属性があれば良いなー!


では、お休みなさい!



◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

次の日


待ちに待った判別の儀式です!

本日は雨嵐で最低な儀式日ですよ!


「まぁ、教会までは馬車で行くし特別な日なので平民の子供達も国から無料で馬車の送り迎えがあるから大丈夫だろう」


ざぁぁぁああああぁぁ!!!


うん!大雨だ!


びゅゅゆーーー!!!!


うん!大嵐だ!


外に出たくねぇーーー!!!

とは行かず、泣く泣く馬車に乗るのだった。

(セットした髪がーーーー!!!!)


どなどなどっなー・・・されてく気分で馬車は教会に向かうのだった。


教会に着くと嵐は多少収まり、教会の司教さんが出迎えてくれた。

「これは、フィリアス公爵様!ようこそ御越し頂きました。ささ、雨風が強いのでお急ぎ下さい・・・これは!?」


司教さんが驚いた顔になるが、雨風が強いため私達は急ぎ教会中に入る。すると既に、ほとんどの子供達が少し早目に着いて雑談していた。今年は高位の貴族の子供は少なく、お父様が言うにはこの国の双子の王子と王女様が来るらしい。嫌だなー、絶対近寄らないようにしよう。


「ん?お父様、何故か廻りの皆さんが私を見てるような・・・?」


周りの視線が痛いデス。風が強くて髪がボサボサになったからかなー?お父様は軽くため息付くと私に言った。


「シオン本当に気付いて無かったのか?光さん・・・光の精霊を連れていれば嫌でも注目されるだろう」


!Σ( ̄□ ̄;)あ!?


「ソウデスネ・・・」


そんなこんなで儀式の時間が近付いて来た時、表が騒がしくなった。王族の人達が来た見たいだ。


「フィリアス公爵殿!お久しぶりです!」


元気に声を掛けて来るのは、この国の第一王子のアイオス・セフィリト様である。


「フィリアス公爵おじ様、お久しゅうございます」


こちらは双子の王女、イーリス・セフィリト様だ。うむ、可愛いジャマイカ!


「こちらこそ、ご無沙汰しております!王子に王女様。それと紹介致します。私の娘、シオンです」


おおぉ、紹介されてしまったからには挨拶だけはしなければなるまい。


「お初に御目にかかります。シオン・フィリアスです。以後、お見知りおき下さいませ」


私は、片足を斜め後ろの内側に引き、もう片方の足の膝を軽く曲げ、背筋は伸ばしたまま挨拶をする。

カレーシーふ・・・ごほん、綺麗にカテーシーを決める。


すると、王子様と王女様は呆然として私を見つめ、ふと我に返ると少し慌てて挨拶を返した。


「此方こそよろしく。それと、その光る球体は・・?」


「これは万能精霊光ひかりさん!光の精霊です」


私は肩上にプカプカ浮かぶ光さんを紹介した。すると辺りがざわめき出した。


「ひ、光の精霊だと!」

「嘘!初めて見た!」

「流石は公爵令嬢様!」

「えっ、あの年で精霊と契約してるの!?儀式前から?!」


おおう、精霊ってここまで珍しいのか?知らなかったよ!光さんが珍獣扱いに!ごめんよう~(泣)

私は光さんに心の中で謝った。


「光属性の方は凄く珍しいと勉強で習いました。凄いですね」


王子が誉めてくる。うん、悪い気はしないね!

そして判別の儀式の時間になりましたよ~


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

【後書き】

愚者の声

「はぁ~」( ´Д`)

シオン

「あら、珍しく元気が無いですわね」

愚者の声

「それは元気も無くなりますよ。もうすぐで可愛い幼女時代が終わっちゃうんです。これから今のあなた見たいなおばさんになるなんて元気も無くなりますよ・・・はぁ」

シオン

「ほ、ほう?おばさん・・・ね~」

愚者の声

「そうですよ!10歳超えたらおばさんで・・・す・・・よよよっ?!」

シオン

「何か言い残す事はあるかしら?」

にっこり、女神の笑顔


愚者の声

「や、やさしく・・・してね?」

シオン

「死ねやーーー!!!!ロ○コンが!!!?」

愚者の声

ほげぇらーーーー!!!!!?



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