第17話

二位になった俺は、千花に笑顔で迎え入れられた。


「すごかった」


「でも、二位だった」


 俺はちょっと残念だった。健闘したのだが、運動部のアンカーとの戦いに競り負けて二位になってしまっていた。大変悔しい。


「真琴のこと……少し見直した。やるときは、やる人だったんだね」


 千花は、微笑む。


「あのね……真琴。こんどデートしてもいいよ」


 その言葉に、俺は耳を疑った。


「ええ……本当!」


 俺の言葉に、千花は頷く。


「あなたのこと見直したの。それとも、もう私のことは嫌いになった?」


 千花の言葉に、俺は首を振る。


「全然、むしろ大好きになっている。ええっと、じゃあ今度の日曜日に。でほ、本当にいいの?」


 俺は、千花に尋ねる。


 千花は、頷いてくれた。


 俺は幸せな気持ちになりながら、マユや亮二のところへと向かう。マユは不機嫌そうに俺の話を聞いていて、亮二は運動会に忙殺された顔をしていた。

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