第55話 年相応の服?

僕たち夫婦はともに29歳である。


僕はどちらかというと服には無頓着な方で、こだわりは特になく、雑誌を見ておしゃれを勉強することなどしたことない。

対して妻は好きな服のブランドがあったり、以前書いたアウトレットモールにしょっちゅう出掛けて服を買い漁るなどしてくる。


ある日こんな会話があった。


「夫さ、いい加減ナイキのTシャツやめたら?20歳そこそこじゃないんだから。」


『は?ナイキのTシャツのどこが悪いの?』


「若々しすぎるのよ。もっと落ち着いた色味の服とか大人な服着てくれない?」


『ちょっと何言ってるかわかんない。』


「夫が持ってるTシャツって原色の緑とか青とかでしょ?そういうの若い子が着るもんだから。大人ならせめて白Tとかシャツ着るとかして欲しい。」


『いや、ナイキでも白のTシャツもありますけど。』


「あのTシャツ胸のところに金のピカピカついてるでしょ!あんなの若い子しか着ないから!」


『いいじゃんまだ若いし!』


「若くないよ!十分おじさんだよ!もっと大人の服装勉強して!」


『服どこで買っていいかわからんし、そもそもそんなお洒落な服を買う金はない。』


「ちっ。」


『ユニクロはダメなの?』


「ユニクロかー。ダメってことはないけど、モノによるかなぁ。私は結構無印良品はおすすめだよ。シックだし、安い。」


『へー。今度見てくるわ。』



ー後日ー



「買ってきた?」


『全然色味ないしシンプル過ぎて僕には合わんかった。』


「それがいいんだって!」


『知らん!僕が着る服は僕が決めるから黙ってて!そっちで金出して買ってくるならそれ着たるわ!』


「よーし、買ってきてやるわ!」


『しめしめ。』



僕は人の金で服を購入する魔法を習得した。なお、無印良品もすごく良かったのだが、やはりリーズナブルと言っても僕の財布には大ダメージなのだ。



質問:年相応の服?

結論:ナイキのTシャツって30歳手前の人が着たら恥ずかしいんですか?僕の感覚一般とズレてますか?

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