第51話 電動歯ブラシが欲しい?

僕は電動歯ブラシを使っている。

いつかの誕生日に妻から貰ったものだ。

大変気に入っている。


「私があげた電動歯ブラシどう?」


『どうって?すごく良い感じだよ。』


「歯は白くなる?」


『白くなってるのかな?かなりツルツルするよ。』


「綺麗になってる?」


『手磨きより全然綺麗になると思うよ。磨き残しも少ないだろうし。』


「へー。」


『どうしたの?欲しいの?』


「んーちょっと興味あるかも。」


『妻ちゃんの手磨きは力強過ぎだから電動にした方がいいよ。』


「そんな力強くないし!」


『ゴシゴシすごい力でやってるから。あれ歯茎痛めるからやめたほうがいいよ。』



「やってないって!」


『電動歯ブラシなら歯に当てるだけ!手で磨くと届かない隙間にまでブラシが当たって分速2万回もの振動で磨くんです!』


「なんかはじまった。」


『しかも!ブラシを全5種類ご用意させていただきました!お値段コミコミ19,800円!のところ、今お電話いただいた方限定!歯ブラシの下取りで10,000円引き!つまり9,800円でお買い求めいただけます!』


「どこのタカタだよ。歯ブラシの下取りってなに。」


『つまり、電動歯ブラシが欲しいと。』


「ちょっと使ってみたいなって。」


『僕のブラシが一本余ってるからあげようか?ブラシの先端差し替えれば使えるし。』


「いいの?」


『全然いいよ。ブラシなんて数百円だし。』


「ありがとう。」





〜ただいまお試し中〜





『終わった?どう?』


「刺激が足らんな。」


『だからいつも強く磨き過ぎなんだって!』


「もっと激しく動かんのか?」


『動かないよ!この微細な振動がいいんじゃないかな。』


「もっとぐわんぐわんなって欲しいわ。」


『安い電動歯ブラシは激しいんじゃない?』


「そうなの?」


『なんかそういうイメージ。ただ回るだけみたいな。』


「ふーん。」


『あっ、安いし激しいし一石二鳥じゃんみたいな顔した?』


「し、してないよ!」


『安いものは安い理由があるし、高いものは高い理由があるからね!電動ならなんでもいいわけではないと思うぞ?』


「へーへー。」


『もう聞いてねぇ。』




後日、2000円くらいの電動歯ブラシを買ってきて想像通りの激しい動きに興奮していた妻であった。



質問:電動歯ブラシが欲しい?

結論:電動歯ブラシはマジでいいです。ただ、お値段の違いは性能に素直に出るのでそれなりのものをオススメします。(僕のは16,000円くらいのやつ。)

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