第50話 ダブルノックダウン

前回までのあらすじ

息子が胃腸炎になりゲーゲー吐くも、召喚魔法を使ったら瞬く間に治ったので安心していた僕たち夫婦。しかし、それは恐怖の始まりに過ぎず・・・?



その後安心して3人で寝た。


夜中の2時、それは突然に起こった。


むくっ


僕が起き上がった。


「どうしたの?」


妻も起きる。


『うん、なんか気持ち悪くて。』


「大丈夫?」


『ちょっと吐いてこようかな』


「えーちょっとーやばいんじゃないの?」


『息子の移ったかも。』


「とりあえずトイレ行ってきな。」


『うん。』


トイレへダッシュ。

便器に向かってドバー。


「出た?」


『うん。やっぱり出た。』


「私も気持ち悪くなってきた。」


『えっ、うそ・・・』


2人揃ってトイレでビシャー、ドバー


「これやばいね。夫は息子の面倒見れる?」


『いやいや、これ無理ね。助けいる!ヘルプ!』


「お母さん呼ぼう!これはやばい!」


『う、うん。よろしく。おえー。』


お義母さんとお義父さんを夜中4時に召喚し、移るとまずいので妻の実家で息子のお世話を依頼した。

そのまま病院へ2人で駆け込み診察を受けた。

僕は自力で水が飲めたため、薬だけ処方されたが、妻は点滴を打つこととなり、家に帰ったのは朝8時だった。


それからその日は2人ともベッドとトイレの往復をするだけの日となり、息子をもう一日お義母さんらに預け、僕たちは2日目の休息に入った。


次の日からは調子が戻ってきて妻と会話する余裕も出てきた。


「2人きりなんて久々だね。」


『そうだねー。息子産まれてから初めてだね。』


「今考えるとこの1年は息子のことばかり考えてたね。」


『今もだけどね。』


「そうだね。」


『息子のおかげでこんなに充実した生活になるんだね。』


「早く会いたい。」


『ああ。たった2日離れただけなのにもうこんなに会いたい。』


「息子に移さないためにも早く治そう。」


『うん、おやすみ。』



こうして胃腸炎との戦いを終え、無事に息子が帰宅した。

お義母さんが帰り際にひとこと。


「息子ちゃん帰りたくないってギャンギャン泣いて大変だったのよー。おほほほ」


「『え?』」



質問:ダブルノックダウン

結論:息子はたくましい。

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