第42話 夫婦の営みの話

僕たち夫婦は仲が良い。

喧嘩も頻繁にするけど、仲はいい。

普通に夫婦の営みもする。


だが、夫婦の営みのタイミングはお互いよくわかっておらず、今までなんとなくの流れでやってきた。


他の夫婦の話はあまり聞いたことがないので、みんなどういうタイミングで事に及んでいるのだろうと思う。


夫が主導?妻が主導?

男がリードするもの?

夫婦によって違う?


わからないが、我が家では100%僕が発信して事が始まる。


これは僕の悩みのひとつであるが、妻から発信して欲しいと思っている。


僕から発信してもほとんど断ることはないため、夫婦の営みそのものに不満はないのだが、発信が全て僕からというのも腑に落ちないのである。


相手の発信は、好意があるから受けてくれているのだ。それなら妻から発信してくれても良いと思う。


だからわかりやすく発信しやすいように工夫をしようと思った。



そこで考えたのが、マッサージだった。



僕が妻をマッサージしてあげて、その流れから事に及ぶ習慣をつけるのはどうだろうか。

そうすれば、いずれ妻から「あなたも疲れてるだろうから今日は私が腰揉んであげるよ。」なんて言葉が出てきて、妻発信の営みが成立すると考えた。



早速試してみた。



『最近仕事遅いし足疲れてるでしょ?』


「むくんじゃうかなー」


『揉んであげるよ。』


「ありがとー」




よいしょよいしょ





『ついでに腰もやったげる』


「・・・。」




よいしょよいしょ





『結構こってるわこれ』


「・・・。」





よいしょよいしょ





『だいぶ硬いね・・・』


「・・・。」




よいしょよいしょ






『筋肉疲労に効くマッサージ法があって〜』


「・・・。」




よいしょよいしょ





『この辺りも凝ってるんじゃない?』








「ぐー」









寝やがった!!




質問:夫婦の営みの話

結論: 昔からマッサージが上手いと評判だった僕の技術は、遂に秒で妻を睡眠へ誘なうまでに進歩していた。

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