第25話 映画が観たい?

僕は映画全般が好きである。

対照的に妻はあまり興味がない。


つい最近公開したアニメ映画があり、僕は昔からその作品の大ファンだった。

妻と付き合っていた時に半ば無理矢理そのアニメを見せたことがあり、面白いと好評であった。

だから、今作は妻と観たいと思っていたのである。



『あのアニメが遂に完結だって。絶対観に行こう。』


「私行かなくていいや〜。どうせ夫がBlu-ray買うでしょ?それ観る。」


『そんなー!あの偉大なアニメが終わるんだよ?その歴史的瞬間を映画館で観なきゃ!』


「そんな熱は私にはない。」


『妻も面白いって言ってたでしょー?』


「面白いけど、映画館で1800円払って観るくらいならランチ行きます。」


『あれが1800円で観られるってやばいよ。焼肉食べ放題が500円で食べられるくらいやばい。』


「そんな大袈裟な。」


『とりあえず、絶対映画館で観て損はしないはず!』


「はず?」


『いや、あの監督だから。前作のこともあるし内容的によっては損する可能性もないことはない・・・。』


「よくわかんないけど、私は行かなくていいや。」


『わかった!僕が妻の映画代も出そう!それならどう!?』




「息子の面倒は誰が見るんだい?」



『・・・。』


「映画観る前に子どもの面倒見ろ。」


『息子は義母に預けるってのはどうだい?』


「そんな映画観るって理由で預かってくれないわ!つーか1人で行け!」


『鑑賞後の感想を言い合いたいのだよー!』


「知らんわ!友達と行け!」


『むー。妻と観たいのに。最近映画デートもしてないし。』


「息子がもっと大きくなったら行こうね。」


『そんなー。』



–公開日当日 鑑賞後–


『やばー。めっちゃ面白かった。』


「へー。どんな最後だった?」


『え?』


「ん?」


『ネタバレしていいの?自分の目で観たくないの?』


「そんな熱ないし。ネタバレされても別になんとも。」


『じゃあ隅々まで教えてあげるね!』



「結論だけでいいや。」


『えー。どうせなら全部話させてくださいよ〜。』


「はいはい。」



質問:映画が観たい?

結論:変な形ではあったけど、エヴァの面白さを共有できて良かった。

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