第24話 君の名は。《神の子爆誕》

妻が入院してから4ヶ月の月日が流れ、世間ではクリスマスも終わり、新たな年を迎えようとしていた。


正月くらいは自宅で過ごしたいと医師に伝えたところ、今の容態なら大丈夫でしょうということで、妻の4ヶ月ぶりの帰宅が許された。


自宅に戻ったあと特に身体に異常もなく、無事に新年を迎えることができた。

元気に産まれてくるようにと願いをするため近所の神社へ初詣に出掛けた。


「元気な子が生まれてきますように。」


『母子ともに健康でいられますように。』


それぞれ無事に出産が終わり、新たな家族の健康を祈っていた。



–翌日の朝–



「ちょっと、あなた。陣痛来たかも・・・。」


『えぇ!?もう!?』


出産予定は1月の中旬であったため、この正月中は何事もないものだと思い込んでいた。

すぐに病院に連絡して即入院となった。


それから壮絶な戦い・・・というわけでもなく、結構すんなり産まれてきた。



元気な産声を上げて息子は誕生した。


やや早い誕生だったため、体も小さかったことから、保育器に入れられて経過観察となった。

この時まだ名前は決まっていなかったが、僕たち夫婦には共通の願いが出来ていた。




《健康な人でいて欲しい。》




この妊娠期間中、健康というものについてよく考えさせられた。僕は昔から身体が強く、大きな病気はおろか、入院をしたこともなかったため、健康なんて当たり前のものだった。


しかし、本当は当たり前ではなかったのだ。いつ誰に襲いかかってくるかわからない。だから、人は常に願うのだ。健康を。



こうして、僕らの息子には【健人】という名がつけられた。




それから1年3ヶ月経った今もこの子は大きな病気もなく元気に生きていてくれている。


神の子らしく、やんちゃで聞かん坊の男の子だ。



質問:君の名は。

結論:健康に生きてください。あとは何もいらないとさえ思える。それがあなたの親の願いです。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る