第18話 小遣い戦争!

我が家は共働き世帯である。

僕の収入と妻の収入、そしてあらゆる支出、その全ての金銭管理は妻が行う。

僕は自分で稼いだ金にすら手出しすることは許されず、月に一度、神(妻)から配給されるお小遣いで生活している。


その額3万円!


この額が多いと思うか少ないと思うか、それは人によって違いはあるだろう。

では、このお小遣いの中に昼食代、ガソリン代、駐車場代、飲み会代も含まれているのだとしたらどうだろう。



ざっと計算するとこんな感じになる。

配給 30,000円

昼食代 -10,000円

ガソリン代 -12,000円

駐車場代 -3,300円

差引余り 4,700円


仮に飲み会が月に1回(3,000円とする)あったとしたらどうだろう。



そう、

残り1,700円。




1,700円!




1,700えん!!!





1,700ええええん!!!!






せぇんななひゃくえええええん!!!!






ぐああぁ悪魔的だあああ



20代の男が一ヶ月1,700円で一体何が出来るというのだ!!




だが、僕も大人である。

息子の教育費や老後の生活資金を蓄えようとする神のお考えを尊重しているから、節制しているところもある。


しかし、いくら頑張ってみても残りのお金が5,000円に達したことはない。



とりあえずこの3万円という悪魔的小遣いで僕は1年頑張ってみた。

もちろん足りない時もあるので、神から追加で配給を受けたことも何度かある。勘違いしてもらっては困るため一応言っておくが、妻は悪魔ではない。ちょっと厳しいだけの神なのだ。



僕は多趣味であり、趣味には金がかかる。

このままでは僕の趣味は次々と消えていくだろう。

そこで僕は決めたのだ。





神に抗うことを。






次回、《神降臨》

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る