第17話 山が好き?
僕は日本海側の地方出身で、妻は山々に囲まれた地方の出である。
僕の趣味の中にキャンプ、登山、ヒルクライム(自転車で山を登ること)といった山に関する趣味がある。
だから僕は山が好きだ。もともと海沿いで育ち、山に行く機会が少なかったことから憧れみたいなものすらあるくらいに好きだ。
まだ息子が産まれる前のとある初夏の日。
『明日登山に行こうと思うんだけど、妻ちゃんも行かない?』
「行かなーい。」
『なんで?明日天気いいみたいだし、きっと気持ちいいよ。』
「私、山嫌いだし。」
そう、妻は山々に囲まれた中で育ったのに山が嫌いなのだ。
妻にとっては、山に接することが多すぎて、山になんら特別な感情はない。なんなら、サラリーマンに向かって休日に職場に行こうと言ってるに等しいくらい理解に苦しむ誘いなのだ。
『ほら、最近運動もしてないし、アイスばかり食べてたら太るから、ちょっとした運動だと思って。片道1時間くらいの簡単な山にするからさ。』
「仕事で散々歩いてるから別に休日まで歩かなくていいや。てか、山に行くこと自体無理。」
『そんな拒絶する?なにが嫌なの?』
「山なんて行っても木しかないじゃん。熊出たら危ないし。」
『熊なんてそうそう出ないよ・・・。木々の自然に囲まれた中を歩くのが気持ちいいんじゃない。』
「行きたいならひとりで行ってくれば〜?」
『そんな〜・・・』
–翌日–
登山のために靴や道具を車に積み込み、準備していた時。
「やっぱり私も行こうかなー。」
『え?どうしたの?』
「夫が行こうとしてる山を調べたらそこの山小屋のソフトクリームが美味しいという情報を得た。」
『あぁ、アイスね。』
そうして、妻と登山に出かけ、ソフトクリームを食べたあと、温泉に入って帰った休日でした。
質問:山が好き?
結論:妻の原動力はアイス。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます