第14話 妻に好きな男が!?

妻はイケメン好きである。

女子は皆そうだと思う。

ジ○ニーズはそんなに興味がないようだが、今人気の若手俳優は好きらしい。

あんな顔になれとぼやくこともしばしばある。



ところで、妻は病院関係の仕事をしていて、毎年新人が入社してくる。

職業柄女性の入社が大半のようだが、男性も年に数人入社してくるらしい。


今年も新人が入社してきて一週間ほど経ったある日、妻がニヤニヤしながら話しかけてきた。


「この間、新人さんたち入ってきたって話したでしょ?」


『あーうん。どんな人たちだった?』


「すっごいイケメンいたの!塩顔で、身長も高くて、スラーってしててスタイルも良いの!」


『へー。そんな子いたんだ。』


妻とは交際してから今年で7年目。妻が僕以外の男を好きになるなんて考えたことはなかった。それはふたりの気持ちが一致していると思っていたし、信頼していたからだ。

今回の話だってただの世間話に過ぎないのだろう。



そう、僕はこの時油断していたのだ。





「すごくカッコよくてきゅんきゅんしちゃった。好きになっちゃいそう///」





あれー?



ただの世間話のはず・・・




「緊張しちゃってあの子の目を見れないの」




あれれー?



そんな感じ?


なにこれ?


なにこの感覚ー?

なんかドキドキするー

妻が取られたみたいでドキドキするー



ハッ!これが俗に言うNTRというやつか!?


確かにそういったジャンルがあることは知っていたが、まさか自分の身に・・・


いや!ただのおばちゃんテンションかもしれない!おばちゃんはイケメンの若い子を見るとキャーキャー言う習性がある(偏見)!きっとそれだ!



『へ、へー。でもそんなイケメンなら彼女いるんじゃないの?』


「聞いたらいないって言ってた。」


『聞いたの!?』


「え?うん、気になったから。」



なぜ聞く!?

おばちゃんならそんなところには興味は行かず、キャーキャー言って終わりじゃないのか?彼女いるかどうかを聞くって、それはどうなんだ!?本当に好意があるのか!?


『一応聞くけど、その子の連絡先とか聞いてるの?』


「もちろん知ってるよ?私直属の先輩だし。」


『へ、へー。』


「なに?嫉妬してるの?」


妻はニヤニヤして聞いてきた。


『いや、ほら妻はイケメン好きでしょ?本気でその子のこと好きになったりしないのかなー?って。べっ、別に嫉妬してるわけじゃなくて、単純に興味本位で!聞いてみたかっただけ・・・です。』


妻はより一層ニヤニヤしてこう言った。





「ひひひ。安心しなさい。あなたが日本一イケメンだと思ったから結婚したのよ。」




『・・・え』



「世界一はブラッド・ピットだけどね」


『はいはい。』



質問:妻に好きな男が!?

結論:調子良いこと言って、はぐらかされた気がする。今度真相に迫る。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る