第11話 妻がひとり遊び!?(3)

〈ぴちゃ〉

〈ヴヴヴヴヴヴ!!!!〉


あの水の音と電マの音が頭から離れず、仕事が手につかないでいた。



–昨日–


あの後、電マの音は5分程度で止まり、室内は無音となった。映画を観終わったくらいの時間に僕も寝室に入り、辺りの様子を伺った。

妻は寝ていた。寝息を立てて。

電マを探すべく、最初に見つけた場所を漁ってみた。

電マが・・・無い。

どこに隠したのだ?


あちこち探してみたものの結局電マは見つけられなかった。

明日は仕事のため、とりあえず僕も寝ることにした。


とりあえずスマホで撮るために策を練らなければ。


–現在–


妻よりも早く家に帰り、ベッド全体が映るようにスマホをセッティング!


妻が寝る前に録画ボタンを押す!


よし!完璧!これで今日妻がまたひとり遊びをすれば見られる!


『今日も映画観るわ〜』


「あ、そうなの?」


『めっちゃ集中して観るからまた3時間くらい寝室には入らんよ。』


「はーい。」


完璧だ。妻は昨日のこともあって安心して事に及ぶであろう。


–22:00–


妻が寝室に行ってから20分が経った。

今日も一応寝室の様子を伺いに行く。






〈ヴヴヴヴヴヴヴヴヴ!!!!〉






きゃああああああぁぁぁ!!


今日も電マの音がああああ!!

成功した!これは成功した!

ちゃんと映っていれば、妻のアレのアレのあれがあれしてるところを見られる!


スマホを確認する明日が楽しみで仕方がない。


–翌日–


スマホを回収した僕は妻に隠れて見るためトイレへ駆け込んだ。


再生し、衝撃的な映像を見ることになった。



〈ぴちゃぴちゃ〉


いやらしい水の音が聞こえるものの、寝ている妻に動きはない。

ん?布団をかぶって指先だけ動かしているのか?

普通に寝ているように見える。


しばらく〈ぴちゃぴちゃ〉という音が聞こえるものの、妻には全く動きはなかった。


すると突然


〈ヴヴヴヴヴヴヴヴヴ!!!〉


電マの音が鳴り響き、妻の体がビクッと動いた。


おおお!やはりやっていた!

これはまさしくひとり遊びだ!


布団をかぶっているため肝心なところは見えなかったが、確実にひとり遊びをしていることがわかった。



1分くらい電マが動いていたが、突如妻がむくりと起き上がった。電マの音はまだ鳴り止まない。


布団から出てきた妻はしっかりとパジャマを着ていた。

パジャマ履いたままやってたのか?

そんな簡易的に?

しかもまだ電マが動いている音が聞こえる。



なんだ?なんだこの違和感は。

ぴちゃぴちゃと音がするのにズボンは履いたまま?もうひとり遊びは終わったのに電マの電源をなぜ切らない?


そんなことを考えていると妻が歩き出し、僕のベッドの方へ。

すると、僕のベッドで寝ていた息子に手を差し伸べた。


ピタッ


鳴り響いていた電マの音が消えた。

そして、妻の手にはあの電マが。



なるほど。



息子か。



ぴちゃぴちゃというのは息子が電マを舐めていた音か。


いじっているうちに電マの電源を入れたのか。


数分後に電マの音がなくなったのは妻が起きて、取り上げたからか。


そうか。


妻のひとり遊びじゃなくて、僕のひとりよがりだったわけだ。てか息子のひとり遊びだったわけだ。




その後、妻に直接聞いてみた。


電マは職場のおばさんが肩とかに使うと気持ちいいと聞いてとりあえずお試しに小さいのを買ったこと。

息子が電マを気に入り、寝るときに渡すとすぐ寝てくれること。


を教えてくれた。


結局妻がひとり遊びをしてるかどうかわからなかった。

ま、ひとり遊びしてようがしてなかろうが妻は妻であり、僕は妻を愛している。


だが、いつかひとり遊びしている現場を押さえてやる!





質問:妻がひとり遊び!?

結論:自宅であっても盗撮ダメ絶対(妄想してるときが1番楽しい)

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