第4話 食洗機派?手洗い派?
僕の家では家事を担当制にしている。
僕は掃除、洗濯を。妻は料理、消耗品の管理を。
それぞれ担当を決めて、やりましょうと。
だが、担当が決められていない家事も存在している。そのひとつが食器洗いである。
僕たち夫婦には1歳になったばかりの息子がいて、食器洗いは息子のお世話をしていない手が空いている人がやろうと。
その日はふたりとも仕事の帰りが遅く、家事が間に合っていなかった。
なんやかんやで僕が皿洗いをすることになったのだが、仕事の疲れもあって食洗機に全部ぶち込んで洗う事にした。
食洗機は楽だ。適当に皿を並べて洗剤入れてボタンを押すだけで、洗いから乾燥まで全てやってくれる。
–翌日–
「テメーまた食洗機使いやがったな!」
朝から妻の怒号が家中を響き渡る。
『昨日は夜遅かったし、まだ他にもやることあったから時短です!何が悪い!?』
「食洗機は非常時だけにしてよ。意外と電気代高いんだから。」
『そんな大したことないでしょ。手洗いだと時間かかるし、時間を金で買いました!』
「意味わかんねーこと言ってんな。私食洗機嫌いなんだよね。」
『いや、知らんがな。食洗機楽だし時短できるし、いいとこづくめじゃん。』
僕が皿洗いを担当した時は毎回食洗機を使うわけではない。時間がなかったり、洗い物が多いときにしか使わないのだ。一応、妻の言う電気代とやらも気にしているわけである。
「アレさー、そんなに汚れ落ちないんだよね。楽だけど、手洗いの方が綺麗になる」
『そんなことないよー。結構綺麗よ?茶碗についたカピカピのお米も綺麗に落ちてるし』
「隅々まで洗えてるとは思えないの。あんな水だけで綺麗なるなんておかしくない?」
『そう言われても。綺麗になるから世間でも人気なんじゃない?妻もたまに使ってるじゃん。』
「私が使うのはお客さんが来て、洗い物が多い時だけ。3人分くらいなら食洗機なんて使わないよ。」
『じゃあ皿洗いも妻の担当にしたらいいじゃん。』
「はあああああ!?今家事負担が5:5でちょうどいいのに皿洗いまで私が担当したらパワーバランスが崩れるでしょうが!」
僕の家は共働きであるため、家事は負担が平等になるよう振り分けてある。確かに皿洗いを妻の担当にしてしまえば、僕も何かの家事の担当者にならなくてはならない。
これ以上担当が増えては趣味の時間がなくなってしまう!それだけは阻止せねば!
『わかったわかった。じゃあ次から気をつけるよ。洗い物の量が多いときだけ使うようにしよう。』
「うん。だって、夫が手洗いしてくれた食器はみんな綺麗になって気持ちいいんだもん。」
『ツマ・・・』
質問:食洗機派?手洗い派?
結論:食洗機は楽だが、手洗いの方が妻は喜ぶ
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